1979年13刷、1977年1刷　四六判　P280、338　カバーおよび小口ヤケ、シミ汚れ

“空を蔽う火あぶりの黒煙……
狂奔する異端糾問者……
ヨーロッパ中世の闇をつんざいて立ち現われる〈魔女〉とは！？
男女両性の精神を具有した大著述家、ジュール・ミシュレ生涯の傑作の本邦初訳。

これは―民衆の脈うつ魂を宿した無頼の歴史書とも、ひとりの魔女の運命を辿る復讐の小説とも、そして又、古代異教・中世伝説や「魔女の宴」・「黒ミサ」の分化人類学とも、見做し得る、魅惑に満ちた書物である。”（カバー袖紹介文）

目次：
【上巻】
第二版へのはしがき
序の章
第一の書
　Ｉ　神々の死
　ＩＩ　なぜ中世は絶望したか
　ＩＩＩ　囲炉裏端の小さな悪霊
　ＩＶ　さまざまの誘惑
　Ｖ　悪魔にとりつかれる
　ＶＩ　悪魔との契約
　ＶＩＩ　死者たちの王
　ＶＩＩＩ　自然の王者
　ＩＸ　サタン、医者となる
　Ｘ　さまざまな魔薬と媚薬
　ＸＩ　反逆の霊的交り《コミュニオン》―魔女の宴《サバト》―黒ミサ
　ＸＩＩ　そのつづき―愛、死―サタンが消えうせる
訳注
ミシュレ略年譜
ミシュレ文献
解説


【下巻】
第二の書
　Ｉ　頽廃期の魔女、サタン数を増し卑俗化する
　ＩＩ　魔女たちへの鉄槌
　ＩＩＩ　フランスにおける寛容の百年―反動
　ＩＶ　バスクの魔女たち。一六〇九年
　Ｖ　サタン、聖職者となる。一六一〇年
　ＶＩ　ゴーフリディ。一六一〇年
　ＶＩＩ　ルーダンの悪魔にかれた女たち。ユルバン・グランディエ。一六三二―一六三四年
　ＶＩＩＩ　ルーヴィエの悪魔につかれた女たち―マドレーヌ・バヴァン。一六三三―一六四七年
　ＩＸ　サタンは十七世紀に勝鬨をあげる
　Ｘ　ジラール神父とカディエール。一七三〇年
　ＸＩ　尼僧院のカディエール。一七三〇年
　ＸＩＩ　カディエールの裁判。一七三〇―一七三一年
エピローグ
覚え書と解説
主なる出典
訳註