2003年10刷　四六判　P336

塙選書22

“前篇「王朝貴族と通過儀礼」では、王朝貴族を主として、その生誕から葬送に至るまでの、男女の一生における数々の通過儀礼を概観。後篇「王朝の習俗と俗信」では、「月の顔見るは忌むこと」「夢占」など、平安文学作品の中から、当時の習俗・俗信を解き明かす。全篇を通して豊富な資料を盛り込んだ王朝風俗事典的な性格を有する。”（カバー裏紹介文）

目次：
【前篇　王朝貴族と通過儀礼】
第一章　生誕前後と幼年期
　一　出生と信仰　｛出生の予言・予知／新生児への予言／生年と属星／生月の吉凶｝
　二　出産の種々相　｛在胎の過期と未満／流産・堕胎／多産／不育児／畸形児／棄児／児肝｝
　三　懐妊と着帯　｛懐妊／択食／胎児の性別判断と美容食／産星／着帯｝
　四　出産後の行事　｛御産の修法／散米／坐産／甑を落す／御剣／臍の緒切り／乳付／湯殿始／桑の弓・蓬の矢／胞衣蔵め／産養／産穢／着衣始／剃髪／御祈始｝
　五　幼年期の行事　｛行始／五十日／百日／魚味始／髪削／着袴／戴餅

第二章　成年期
　一　成人女子の表示　｛歯黒め／引き眉｝
　二　元服　｛男子の元服／女子の着裳｝
　三　婚姻　｛婚姻―年齢と名称／婚姻の忌月／消息使／沓を抱く／燈籠の火は三日間消さず／衾覆ひ／後朝使／露顕／三日夜の餅｝

第三章　老年期
　｛算賀／尚歯会｝

第四章　葬送
　一　死とその前後　｛葬と名称／死の予知／死と蘇生｝
　二　遺体の処置　｛入棺／火葬／拾骨／土葬／散骨・野葬・風葬｝
　三　死と信仰　｛死の穢れ／死人の灰／夜間路上で死人に出会つた時の呪ひの歌／鳥戸山・鳥戸野｝

【後篇　王朝の習俗と俗信】
　月の顔見るは忌むこと／天地を袋に縫ひて／夢占／夜の衣を反す／嚏る／櫛占／橋占／筑摩の祭／鵜坂のしもと―尻打ち祭り／常陸帯―帯占ひ／錦木／狭布の細布／天王寺の西門／蜘蛛の振舞／井守の印／鵺の鳴きつるにやあらむ／駒躓く／額の髪蹙く／袖に墨つく／目きたなし／扇ゆゆし／子の日爪切らず／沓重なる／燈火に人の見ゆるを忌む

索引
あとがき