鬼の日本史 福は内、鬼は外? 上下2巻揃 沢史生 彩流社

1992年4版、1990年1版 A5判 ソフトカバー P438、454 各巻カバースレ、少イタミ 天地小口少汚れ、僅キズ 上巻のみ帯付き、遊び紙僅剥がし跡 下巻裏見返し端剥がれ

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“古代産鉄と水銀の担い手、土グモの秘史をえぐる!
ワダツミ流亡の姿を求め全国を漂白する著者が物言えぬ神々(鬼神や星神)と古代王権の陰謀を暴く問題作。”(上巻帯文)

目次:
【上巻】
「鬼は外?」について―まえがきにかえて

序篇 鬼をつくる
 第一章 相撲始祖伝承は王権の欺し絵
  第一節 『日本書紀』編纂の裏に何があった? {古事記は誰のために必要だったか/法師・大海人の天皇殺害}
  第二節 世の人と庶民の明暗 {「人」と「庶民」の違い/狭穂彦と埴安彦の叛逆/「蛇」に殺された百襲姫}
  第三節 三輪山の蛇神・葦原醜男 {なぜオオミタカラは逃散したか/追放された天照大神と大物主神}
 第二章 出雲国は旧倭国への賤称
  第一節 鉄王の聖地・謎多い二上山麓 {産鉄頭領・当麻蹶速/産鉄習俗のきまり/土蜘蛛として殺された蹶速/旧当麻氏の素性は産鉄王であり、辰砂王でもあった}
  第二節 八雲立つ出雲神話の舞台は大和国 {相撲は星奪り・星殺し/山城国出雲郷に集団居住した出雲臣の謎/「八雲立つ」は「土蜘蛛の縁起」だった/亀甲紋は星神を語る/崇神紀・垂仁記略年表}
  第三節 牛の糞を踏むと背が伸びない理由 {野見宿禰は単なる“土こね屋”であったか/野見宿禰の一族は殉死要員?/土師氏・菅原氏のにがい過去}


第二篇 しき島のヤマ人の国
 第一章 大日《雨かんむり+口口口+女》と娘媽神は同根神
  第一節 東シナ海への誇り {娘媽神のふるさと/海神と山神の相互関係/娘媽神は無量権現、そして宇賀福神}
  第二節 娘媽神と天道神 {天童山と海の女神/多久頭神の正体を探る/太陽から星・火石におとされた謫つ神}
  第三節 貞享三年、権現様になった阿弥陀如来 {倭人・鄭子竜、鄭成功の活躍/清朝の遷界令と江戸幕府・貞享令との関連/様々に姿を変えていた天道神}
 第二章 海洋を家とした倭人の群れ
  第一節 母子神・大蛭女と蛭子 {名島弁天境内の釈迦三尊石仏/猪野皇太神宮の素性は聖母神/天照大神の別名大《雨かんむり+口口口+女》女は大蛭女}
  第二節 呉王太伯の裔神・大比留女 {若杉山の聖母神/聖母神・大比留女の別なる神名/高祖神社と雷山神社/討伐されつくした背振山麓の悲史}
  第三節 王城仏教に奪われた庶民の観音様 {聖天様の待乳山は天道山/滅ぼされた神・聖天様/換骨奪胎の姿で祀られた観音様}
  第四節 牛島神社と三囲稲荷 {牛鬼の怪異、浅草寺僧を殺す/牛島信仰について/早稲酒や狐酔い出ず姥が里}
  第五節 ニャンマ人の国とヤマトの国 {東風の本義は「王化の征討」だった/王権の尊大な「小童賤視」思考/記紀はヤマタイ国を黙殺した/ナマズの崇り}
 第三章 「甍」の文字にこだわる
  第一節 秘められた「カワラ」の意味 {イライラさせられる場が「イラカ」だった/河原の文化が育てた「瓦」/河原は「敗残」の原点/下駄占いと瓦占い}
  第二節 悪月悪日の鬼除け・菖蒲の節供 {あやめ生り軒の鰯のされこうべ/菖蒲節供は鬼逐いだった/「ウルサイ」と「うるむ」の関わり}
  第三節 さばえなすサバ神 {馳けつけ三杯の真意/「をのへたをらふくのりかりが」とは?/誰がための「厄払い」/薬玉の原義は「国栖魂」だった}

【下巻】
第三篇 鬼の季節
 第一章 鬼逐い
  第一節 それは鎮西から始まった {吉野ヶ里を襲ったヤツは?/吉野ヶ里に対する認識の欠陥/邪馬台連邦を滅した大和王権軍/神武紀・崇神紀における船の記述の矛盾}
  第二節 時じくの香ぐの実 {橘の実ではなかった非時香菓《ときじくのかぐのみ》/大和三山に仮託された産鉄伝承/非時香実は永遠に生産される鉄の意/田道間守は北倭の捕囚となっていた?/自害させられた田道間守}
  第三節 惨殺された弥五郎どん {九州討伐の卑劣ぶりと残虐ぶり/信望篤かった弥五郎どん/大人・弥五郎は産鉄の頭領/綾杉肌の刀剣}
  第四節 炭焼き小五郎と真野長者 {底無しの馬鹿・オオミタカラ/臼杵石仏の由来/臼杵石仏の地は丹生(水銀)の里だった/数次の侵略を受けた真野長者}
 第二章 四天王と庚申
  第一節 四天王の素性 {僧尼を堕落させた王城仏教/四天王寺はなぜ荒陵郷に建立されたか/四天王の前身は海童・河童であった}
  第二節 「役立たず」の木で造られた四天王様 {なぜヨタカが売春婦で、ヨタロウはアホなのか?/四天王を構成する神々の素顔/煙に巻くための護摩修法/護摩修法と「ゴマの灰」
  第三節 四天王寺にはじまった庚申待 {生島神の性格/毘沙門天、ストライキの怪異/庚申の夜に妊った子はなぜに盗人に?}
  第四節 庚申待の俗信をさぐる {庚申祭にコンニャクと大根を食べる理由/なんのために行われた括り猿か?/敏馬神と敏太神/盗っ人にされた庚申様}

第四篇 鬼の末裔たち
 第一章 鬼神と星神
  第一節 酒呑童子は実在しないが実在した {律令の狡猾なカラクリ/酒呑童子は朱点童子、何代にもわたった鬼/飛騨の妖怪・両面宿儺/木曾に秘められた性格は「鬼蘇」/酒呑童子曰く「鬼に横道なし」/妙多羅天・麻多羅神・旃陀羅・大多羅持}
  第二節 岩城・鳥海・羽黒の山神たち {お岩木さんは葦原醜男神/羽黒山は「鉄塊《ころ》」を吐く山/星神の末裔・月山鍛冶}
  第三節 「八」の字にされた星神 {「おいげ様」という石神/王権に嫌われた「おいげ様」/貫前神社の菖蒲谷/鳥が鳴く東の国とは?}
  第四節 七夕祭と姫星・彦星の謎 {正月の松飾りは下賎の民の習俗/「竹」と盗っ人/姫星・彦星の正体はアマテルとスサノオ}
 第二章 錬金術師・真金吹く神々……
  第一節 丹生神と産鉄民 {琵琶湖周辺の産鉄神/日前宮祭神・石凝姥に秘されたもの/丹生都比売を訪ねる/高野明神は殺された?}
  第二節 丹生神ゆえの哀贄 {蟻通明神は丹生明神の別名/かごめ かごめ 篭の中の鳥は―/「事八日」の真相と針供養/天川村はなぜ天領だったか}
  第三節 「青丹よし」とは? {水銀の雰囲気をとどめぬ丹生神/大和・菟田野にあった日本一の水銀工場/水銀需要を激増させた王城仏教の金銅仏/鉄の善性と水銀の魔性を知れる丹生神/「お水送り」の真相は巳衆送り/サバが生き腐れといわれたワケ}
  第四節 「青丹」の神・伏見稲荷 {巨椋池に君臨した秦氏/秦氏の素性は倭人だった/王権にいびり抜かれた秦の一族/秦氏と伊勢水銀/忍苦に生きた秦河勝/吹子祭に表現された稲荷神の産鉄性格/大多羅女の名を秘める伏見稲荷}

結びにひとこと
参考文献
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