1999年2刷　四六判　P361　カバー上端少イタミ　小口角僅汚れ

“古代人と死の交渉＝経験をめぐり、神話、儀礼、説話等を読み解く。そこにはどんな精神史上、文化史上の問題が隠れているだろうか。諸学と対話しつつ、全力で著者が取り組んだ８編の論考を収める。今まで見えなかった古代の経験を、私たちの目に見えるように碩学が深みとユーモアを湛えた広場の言葉でつぶさに考え、一つの統合をこころみる。未踏の地平を切り拓く、傑作『古代人と夢』の姉妹篇。”（カバー裏紹介文）

目次：
ノミノスクネ考
　｛出雲とのかかわり／大力の由来／相撲の話／殉死の禁と埴輪／楯節舞をめぐって｝
地下世界訪問譚
　｛はしがき／黄泉の国・根の国／海神の国／浦島説話の意味／地獄からの蘇生／終りに｝
古代的宇宙《コスモス》の一断面図―「大祓の詞」を読む
　｛はしがき／直喩の働き／呪文としての「大祓の詞」／大祓、贖罪、スサノヲ追放／潮境としての壱岐・対馬／卜部と海人と／伊豆諸島のもつ意味／儀礼の現場／大祓と薬師悔過その他／古代首長と罪｝
三輪山の構造―蛇身の意味を問う
　｛象徴としての蛇／ミワという地名／大物主と大国主／神殿なき神／大物主の呪力の根源／諏訪と宇佐／最後の光芒｝
諏訪の神のおぼえがき―縄文の影
　｛タケミナカタという名／諏訪社の位相／金刺舎人／風の神として／石神と柳田国男／諏訪の蛇神／ミムロの秘儀／狩りとイクサと｝
姥捨山考
　｛棄老伝説／更級姥捨山／ヲバ・オバ・ウバをめぐって｝
黄泉の国とは何か
　｛「蛆たかれころろきて……」／死体と魂／殯とのかかわり｝
天皇天武の葬礼―一つの政治的劇場
　第一章　喪屋の秘儀　｛女たちの挽歌／葬りの伝承歌／遊部について｝
　第二章　政治的劇場としての殯宮　｛王は二つの身体を持つ／大津皇子の死／誄、日嗣、国王万歳／付、天武から聖武へ｝

あとがき
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