1997年2刷　四六判　P192　帯僅イタミ　カバースレ、上端少イタミ　数ヶ所に僅ページ開きグセ

「沖縄学の父」伊波普猷の夫人の従妹であり、一九三一年（昭和六）から八年間伊波夫妻と暮した著者が、その思い出を綴った随筆集。

目次：
序　伊波普猷という泉を汲む（鹿野政直）

Ｉ　追想　伊波普猷
　｛先生との出会い／伊波家の朝食／優雅な貧乏／先生のお好きな琉歌／僕にお金があったら／暖かいお心に救われて／お好きなサーターアンダギー／寛大なお心／お宗旨は何かと聞かれて／先生と深夜の銀ブラ／スクチな話／一生一度の映画見物／日本民芸館で／ヒンスー文学史／冬子夫人とのロマンス／ビアホールで頭に怪我―治療費捻出のため質屋へ―／草鞋を履いて／永遠のお別れ／先生の生涯を偲ぶ一冊の本／生きているうちに報われたい／「先生、最後のお仕事は？」／石段を上って｝

ＩＩ　織りなす友情
　｛南と北の友情／真心人　比嘉春潮先生／折口信夫先生のこと／佐々木信綱博士と服部先生／河上肇博士との交流／伊波家の来客―青年をもてなし話弾む―／伊波先生と漢那少将／学問の跡継いだ仲宗根先生／或る日のお使い／ジュリユバーになって……／「伊波普猷を廻る五人の女」の外に｝

ＩＩＩ　伊波冬子の思い出
　｛形見の石仏／伊波冬子の詩―伊波普猷に耐えた生涯―／病院の窓から／冬子夫人へのお詫び／学者の妻として―冬子の生き方―｝

解題　「人間」伊波普猷を知るために（高良倉吉）
あとがき