2009年 A5判 P263+索引ほかP14 帯付
“ブルトンvsグリーンバーグ。第二次大戦のさなかニューヨークへ亡命したシュルレアリストたちは、新大陸から何を受け取り、何をもたらしたのか。シュルレアリスムと戦後アメリカ美術を架橋する。”(帯文)
目次:
序 ブルトンvsグリーンバーグ
ブルトンとピカソ 接近遭遇
{ピカソの召還/「野生の状態」と「プリミティヴィスム」/雑誌掲載の作品群/「神話的」テーマ/最接近遭遇/あらわになる差異}
グラディーヴァ・ノート シュルレアリスムのひとつの神話的形象をめぐって
{女性的なものの形象/エルンスト|括り縄/ダリ|狂気を癒す女/ブルトン|前進する女/マッソン|生と死のメタモルフォーズ}
マグリットvsグリーンバーグ 絵画の自己言及性について
{対他存在としての芸術/二つのオートマティスム/表象による自己言及性}
マルセル・デュシャン 解答なき問題
{「問題」としてのデュシャン/デュシャンと絵画/レディメイドの論理/「種」から「類」への移行}
サルバドール・ダリ 表層のバロック的遁走
{ダリのニューヨーク/二重映像の絵画―「偏執狂的=批判的」方法について/「悪いダリ」と「良いフェルメール」―グリーンバーグの所説について/二重映像の肖像/特権的形象としての「襞」/世界を記述する画家/棋譜された表層/格子《グリッド》と地図}
アンドレ・マッソン オートマティスムの絵画
{シュルレアリスムの絵画/オートマティスム/純粋な身振り、リズム、呪文/砂絵/ブルトンとマッソン/神話/マルティニク/グリーンバーグのマッソン評}
ニューヨーク、一九四二年
{シュルレアリストのニューヨーク/雑誌『VVV』/「シュルレアリスム第三宣言 発表か否かのために序論」/新たな展覧会へ向けて/ブルトンとデュシャン/「ファースト・ペイパーズ・オブ・シュルレアリスム」展/「今世紀の芸術」画廊/故郷喪失《ホームレス》的美学}
シュルレアリスムと抽象表現主義
{エルンストのオシレーション/《Vox Angelica》/マッタの「心理的形態学」/ブルトン・ゴーキーグリーンバーグ/ポロックとグリーンバーグ}
あとがき
参考文献一覧
人名索引