銀河の道 虹の架け橋 大林太良 小学館

1999年初版 A5判 P813 帯およびカバー端僅イタミ

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1999年初版 A5判 P813 帯およびカバー端僅イタミ

“人びとは天空になにを見てきたのか…。
霊魂の道、虹蛇など、「銀河」と「虹」の神話・伝承・信仰を全世界的視野から集大成。大林民族学の代表作、書き下ろしで堂々完成。”(帯文)

“銀河は夜空にかかり、虹は昼間の中空に立つ。銀河は荘厳な白銀の二股の帯であり、虹は華麗な多彩の太鼓端である。銀河は時間と季節によってその位置を変えはするが、恒常的に存在している。ところが、虹は儚い一過性のものであり、その出現は一つの事件でもある。
 このように銀河と虹は対照的な性格を持つ自然現象である。
 この銀河と虹は、世界中どこからでも観察でき、人類が遠い昔からそれについて多種多様な観念や伝承を育み、伝え、また拡めてきた。この二つの自然現象について全世界から資料を集め、考察してみるのがこの本で私が行ったことである。(本文より)”(帯裏紹介文)

目次:
序文
序章 {一 なぜ銀河と虹か/二 研究の歴史と資料/三 東地域と西地域}

【第一部 銀河の道】
第一章 東アジア
 {一 物としての銀河と季節/二 牽牛織女とそれ以前―中国古代/三 天を裂いて出来た天の川―中国近代/四 銀河占い―中国近代/五 天の竜―中国近代/六 スカーフと天の水槽―中国少数民族/七 星の妹背の銀河《あまのがわ》―日本/八 天安河―日本/九 頭の禿げた烏と鵲/一〇 東アジアまとめ}
第二章 東南アジア大陸部
 {一 白象の道・豚の道―タイ系諸族/二 季節の境―チベット=ビルマ系諸族/三 東南アジア大陸部まとめ}
第三章 東南アジア島嶼部
 {一 不統一な縁辺諸島/二 ナーガ(竜蛇)か道か―インドネシア/三 答案アジア島嶼部まとめ}
第四章 オセアニア
 {一 航海の目印―メラネシア/二 銀河は魚―ミクロネシア、ポリネシア/三 川と他界―オーストラリア/四 オセアニアまとめ}
第五章 北‐中央アジア
 {一 天の狩人のスキーの跡と鳥の道―アルタイ系・ウラル系諸族/二 魚を獲る河―東北アジア所属/三 北・中央アジアまとめ}
第六章 北アメリカ
 {一 宇宙柱と空の背骨―西部諸族/二 精霊の道―平原・東部諸族、南西部諸族/三 北アメリカまとめ}
第七章 中・南米
 {一 霊魂の道・タビアの道―北部諸族/二 循環する川―アンデス諸族/三 蛇と蠕虫と駝鳥―アマゾン・南部諸族/四 中・南米まとめ}
第八章 南アジア
 {一 水牛の道/二 天なるガンジス/三 南アジアまとめ}
第九章 西アジア
 {一 神の玉座から流れ出る川/二 墓盗人の道/三 西アジアまとめ}
第一〇章 ヨーロッパ
 {一 乳の道と宇宙の箍―古代/二 聖なる道・巡礼の道―中世・近代/三 俗なる道・戦争の道―近代/四 ヨーロッパまとめ}
第一一章 アフリカ
 {一 神々の道/二 蛇との関係・季節の交替/三 灰と残り水/四 アフリカまとめ}

【第二部 虹の架け橋】
第一章 東アジア
 {一 二つの虹と白蛇/二 虹の橋―日本/三 池から上る虹・雨水を飲む虹―日本/四 虹と財宝、市―日本/五 虹は竜―中国古代/六 雌雄の虹―中国古代/七 虹の奇譚―中国六朝以後/八 虹の黄金・虹の帯―中国近代を中心に/九 刺繍小町―中国南部少数民族/一〇 不幸な恋と虹の帯―中国南部少数民族/一一 死体から発生した虹―中国南部少数民族/一二 虹に乗って昇天―朝鮮/一三 東アジアまとめ}
第二章 東南アジア大陸部
 {一 水を飲む蛇と悪い死に方―インドシナ/二 精霊の道・天への梯子―ミャンマー/三 魚を捕り蟹を食べるモチーフ―アッサム/四 東南アジア大陸部まとめ}
第三章 東南アジア島嶼部
 {一 神霊の橋―台湾、フィリピン/二 錦蛇が虹に―マレー/三 鹿と水蛇―西部インドネシア/四 病気や死の予兆―スラウェシ/五 虹の両面価値性―東部インドネシア/六 東南アジア島嶼部まとめ}
第四章 オセアニア
 {一 蛇の唾・精霊の道―メラネシア/二 虹は道・虹は船―ミクロネシア、ポリネシア/三 虹蛇と至高神―オーストラリア/四 オセアニアまとめ}
第五章 北・中央アジア
 {一 虹と下紐―アイヌ/二 リボンの大蛇―ツングース諸族/三 天の帯―シベリア諸民族/四 虹の橋とシャマン―デュルク・モンゴル諸族/五 人さらいの虹―テュルク・モンゴル諸族/六 虹と他界・虹と英雄―チベット/七 北・中央アジアまとめ}
第六章 北アメリカ
 {一 上界と下界の通路―北部諸族/二 虹を指さすな―中部・南部諸族/三 北アメリカまとめ}
第七章 中・南米
 {一 井戸から上る虹蛇―中米・南米北部/二 双頭の虹蛇―中部アンデス地域/三 子宮の中の蛇・頭の血から出来た虹―アマゾン地域/四 虹蛇に変身した少年―チャコ地方/五 中・南米まとめ}
第八章 南アジア
 {一 インドラの弓―全インド/二 天の腸・天の臍―中部インド/三 南インドまとめ}
第九章 西アジア
 {一 虹の出現―古代/二 アラーの帯/三 西アジアまとめ}
第一〇章 ヨーロッパ
 {一 虹の女神―古代/二 虹の暴飲と金の鉢―近代/三 ビフレストの橋―北欧/四 恐ろしい虹・崇めるべき虹―中欧/五 性の転換―バルカン/六 多彩なバルト海地域/七 さまざまな名称/八 ヨーロッパまとめ}
第一一章 アフリカ
 {一 虹蛇と狩猟―中央アフリカ/二 虹蛇になった祖母―西アフリカ・スーダン/三 至高神の頸飾り―東アフリカ・南アフリカ/四 その他さまざまな表象―アフリカ各地/五 アフリカまとめ}

【第三部 全体的考察】
第一章 分布の大勢
 {一 銀河/二 虹}
第二章 銀河と虹の文化史
 {一 さまざまな銀河の道/二 流れる銀河/三 農耕民の銀河・狩猟民の銀河/四 虹蛇と民族移動/五 虹の図像学/六 虹の架け橋/七 虹の弓の歴史/八 禁忌の系譜/九 東南アジアとオセアニア/一〇 至高神との関係/一一 天他界と他界への橋}
第三章 銀河と虹のシンボリズム
 {一 虹は不気味だ/二 異常な性・過剰な性/三 蛇と大地/四 天と地・銀河と虹の類似と対照/五 迸る体液・赤と白/六 虹の色/七 月は危険だ/八 月と近親相姦、月を食べる蛇/九 霊魂の蝶・一〇 おわりに}

図版目録
引用文献
索引
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