2000年　四六判　P345＋書簡年譜P18　帯付　P327下端少汚れ

“ランボーは詩と「訣別」したのか？
アデン、ハラル、カイロ……自らの「魔」を追って砂漠を彷徨する詩人の魂の軌跡を膨大な書簡から読み解く、構想30年にわたる長編評伝”（帯文）

“ランボーは二十歳くらいで詩から遠ざかり、以後十年間、エチオピアのハラルを拠点にして、交易活動にたずさわる。その間、アフリカ書簡といわれる膨大な書簡を残した。主に商用活動が書かれたこの書簡は、従来のランボー研究では枝葉のものと軽視されてきたが、日付や事実の虚構化、手紙相互の入れ子的な関係が見られ、多くの謎が存在する。本書では、ランボーの詩を書簡と対比し、死と書簡を等価に読む視点から新しいランボー像を提示する。”（カバー袖紹介文）

目次：
例言
序　ゼイラー幻想
I　書簡・距離・断章
II　ハラルの写真家
III　オガディン報告
IV　紅海の灼熱の岸辺
V　失われた軍隊手帳―ショア遠征（1）
VI　不穏なルート―ショア遠征（2）
VII　渦を巻く旅の時間―ショア遠征（3）
VIII　アデンのfumiste（ふざけ屋）
IX　ベドウィンの暗黒の取引
X　賑やかな砂漠
XI　飛脚たち
XII　ゼイラーまで

追い書き―Voici a date mysterieuse
ランボー書簡年譜