フォークロリズムから見た今日の民俗文化 河野眞 創土社

2012年 A5判 P567 帯背僅ヤケ カバー裏側上端ごく僅ヤケ

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人文・社会科学民俗学・文化人類学・考古学その他



2012年 A5判 P567 帯背僅ヤケ カバー裏側上端ごく僅ヤケ

例えば伝統行事や民族衣装、民話その他の“伝統的”な事物やイメージが観光・町おこしイベント・商業活動・創作物その他の場面で活用されるように、「民俗的な文化物象」が「本来それが定着していた場所の外で、新しい機能をもち、新しい目的のためにおこなわれること」を指す概念「フォークロリズム」についての論集。
前半部では著者が1992年から各所で発表してきた論考を集め、後半部はこの分野における先駆者の一人ハンス・モーザーの提唱論文などを収録。

目次:
【論考の部】
はじめに

フォークロリズムを指標とした研究の背景 (2012)
 1 民俗学・文化人類学・社会学の共通の課題として
 2 日本でのフォークロリズム理解の初期の事情
 3 ドイツ民俗学という楕円の焦点

フォークロリズムから見た今日の民俗文化 ―ドイツ民俗学の視角から (1992)

外から見た日本の民俗学 (1994)
 1 『世界民俗学文献目録』にちなんで
 2 二十世紀始め頃のスイスとドイツの民俗学
 3 柳田國男と同時代のスイスとオーストリアの民俗学とのすれ違い
 4 現代フォークロアの方法をめぐって
  {a. ドイツ民俗学の転回/b.  民俗学の対象の範囲 ―科学技術はブラック・ボックス?/c. 科学技術と民俗文化 ―ヘルマン・バウジンガーの理論から/d. 現代の怪奇現象に因んで、日本の民俗学を探る/e. 日本の民俗研究の特殊な性格/2012年の刊行にあたって補記}

現代社会と民俗学(2002)
 はじめに ―民俗学の定義
 民衆文化における伝統と現代
  {ヘルマン ・パウジンガーの見解/科学技術の浸透によって生活の枠組みが変化した事例 ―〈隣村〉という伝統的区分の消滅}

現代社会における異質文化としての民俗文化(付・概念図)

現代社会における民俗文化の実際 ―食生活における連続性と非連続性
 {[事例1]民間療法/[事例2] ビジネスと風水信仰/[事例3]ファッションと古い民家の組み合わせ/異質文化としての民俗文化/[事例1の評価]/[事例2の評価]/[事例3の評価]}

フォークロリズムの生成風景 ―概念の原産地への探訪から(2003)
 定義と具体例
 玉手箱と煙のあいだで
 民俗知識の還流と逆発想
 事例検証: オーバーアマガウ村の受難劇
 オーバーアマガウ村の受難劇へのリールの論評
 ヘルマン・バウジンガーの再論評:フォークロリズムへの展開
 二つの境界 ―〈ユビキタス〉と〈プレグナント〉

民俗文化の現在 ―フォークロリズムから現代社会を考える(2004)
 (1)出発点:フォークロリズムという概念
 (2)事例検証:現代社会において民俗文化とは何か
  {[事例1] 京阪神三都夏祭り/[事例2] インフィオラータ/花フェスタの系譜}
 (3)考察


〈ユビキタス〉な民俗文化(2004)
 I 現代社会のなかの民俗
  {最近の話題から/ユビキタスの概念/フォークロリズム/課題}
 II 雲南省怒江傈僳族自治州への旅と現代フォークロアへの刺激
  {現代フォークロアの視点から/秘境と〈生きた化石〉/演出された民俗/民俗の現代化の過程/民俗学と現代フォークロアの間で/結語}

〈民俗文化〉の語法を問う(2005)
 はじめに
 {和歌森太郎の〈民俗文化〉への解説/『日本民俗大事典』の解説/アメリカの文化人類学における “Folk Culture”/地域民俗の総合と しての〈民俗文化〉/ 宮本常一の語法/民俗文化研究調査会の機関誌『民俗文化』の場合/二つの『日本民俗文化大系』/研究誌『民俗文化』 /民俗学の関係者によるさまざまな語法/文化人類学系の研究者にお ける〈民俗文化〉の事例/〈民俗〉の語法/『美濃民俗』の〈民俗文化》/韓国の数例/中国における数例/古義からみた合成語〈民俗文化〉/〈民俗文化〉という曖昧表現}

民俗学にとって観光とは何か ―フォークロリズム概念の射程を探る(2006)
 1 ツーリズムとフォークロリズム
 2 ヘルマン・バウジンガーによるシミュレーション
 3 ポスト・フォークロリズムの位相

ナトゥラリズムとシニシズムの彼方 ―フォークロリズムの理解のために (2007-2009)
 1 はじめに
 2 伊藤幹治氏のフォークロリズム批判に寄せて ―概念の誤認への修正、ならびに生成過程への補足
  {フォークロリズムは価値評価の概念に非ず/フォークロリズム概念をめぐるドイツ民俗学史の一齣}
 3 《文化產業》 との関係から見たフォークロリズム
  {フォークロリズムをめぐる論議の経緯から/バウジンガーによるフォークロリズム概念への一層の関与/アドルノと文化産業の概念/フォークロリズムと文化産業/ポジティヴな民衆文化/アメリカ文化と文化産業を前にした民衆文化/伝統文化という課題に向かって}
 4 J.G.フレイザーの民俗理解 ―底流としてのナトゥラリズム
 5 19世紀のナトゥラリズム ―衝動と欲望の自然人間
 6 自然状態の理想化の系譜 ―もう一つのナトゥラリズム
  {モンテーニュ/牧歌散見}
 7 ヨーロッパ文化における自然をめぐる補足 ―和辻哲郎のヨーロッパ風土=牧場の論について
  {牧歌的なヨーロッパの農村像の問題点/窮屈な社会/農業労働の虚実/ヨーロッパ牧場論の背景}
 8 フォークロリズムを遡る
  {事例1:オーベルストドルフの野人踊り/A1:オーベルストドルフの 野人踊りをめぐる最近の解説/A2: パウジンガーが注目した19世紀 半ばの新聞記事/B: ハンス・モーザーによる解明/C: ヘルマン・バ ウジンガーによるオーベルストドルフの野人踊りの系譜の解釈/事例 2: 女のファスナハトは〈古き慣はし〉?}
 9 フォークロリズムとシニシズム
  {民俗行事へのハンス・モーザーが挙げた違和感の諸例から/a. ラジオ・テレビで報道される指相撲など/b. 嗅ぎ煙草のコンクール/c. 民俗的なコンクールの流行}
 10 民俗イヴェントへのシニカルなコメント?  ―詩人ハイネの反応
 11 日本民俗学におけるハインリヒ・ハイネ
  {二点の留意事項}
 12 文学における〈異教〉の観念 ―バレエ作品「ジゼル」に見るハイネとゴーティエ
  {ロマンティック・バレエ「ジゼル」の成立事情から/エンタテイメントの枠組み:〈キリスト教 VS 異教〉}

 13 民俗要素の文学化 ―ゲーテからハイネへ
  {民俗行事に対するゲーテの位置/民俗行事に対するハイネの位置}
 14 ふたたびハイネの民謡批評
  {『スイス風俗図集』と『ザルツブルク身分人物図集』/ピンツガウの農民の息子の夏服姿/ラウフェンの水運業者の夫人の正装}
 10〜14のまとめ
  {付記}

【資料の部:フォークロリズム概念の成立をめぐるドキュメント】
民俗学の研究課題としてのフォークロリズム (1964)(ハンス・モーザー)
 1 伝承の現場のエピソードから
  {民俗学知識の民間への逆流/フィールドワーク/通俗民俗学}
 2 民俗行事の復活と民俗学の知識
  {ベルヒテ巡幸行事の最近の事例/民俗事象の手直し、映画の刺激から民俗的なアトラクションへ/ベルヒテ行事の出張公演/ファスナハト行事に起きた異変}
 3 民俗行事の在来連関からの切り離し
  {近代の産物としての民俗行事と上古への遡旧志向}
 4 民俗を取り巻く現実の諸条件
  {啓蒙主義と民俗要素/国民教育とフォークロリズム/理想的な民衆像と民俗性/愛国主義、歴史愛好、〈国民祭典〉/民俗衣装の導入、国家行政の視点の参画/舞台上のフォークロリズム、ミュンヒェンの劇場、観光産業へ/観光、初期の民俗学誌での問題提起、民俗行事の実習と演出}
 5 民俗文物の保存の初期の情勢とフォークロリズム
  {民俗保存と応用民俗学}

 6 応用民俗学とフォークロリズム
  {ナチ時代のフォークロリズム ―オーデンヴァルトの事例/ケッツィングのプフィングストル/民俗の創作例から/伝統民俗の改変/大都市民俗学に因んで/ショーウィンドウのフォークロリズム/バラエ ティにおける民俗応用}
 7 新聞広告に載る民俗行事
  {ツーリズム/保養地の諸相、映画のシーンからアトラクションも/テレビと指相撲など/民俗的なコンクールの流行/ふるさとクラブ/フォークロリズムは幅の広い概念}

ヨーロッパ諸国のフォークロリズム ―ドイツ民俗学会から各国へ送付されたアンケート(ヘルマン・バウジンガー)
 スイスのフォークロリズム(ハンス・トリュムピ)
 ポーランドのフォークロリズム(ヨゼフ・ブルスタ)
 ハンガリーのフォークロリズム(テクラ・デーメーテール)
 ポルトガルのフォークロリズム(ジョルヘ・ディアス)

【後記】
フォークロリズムのドキュメントを ドイツ民俗学史から読み直す

初出一覧と転載にあたっての謝辞
あとがき:1969-1989-2009-20年刻みの三つのエポック
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