1980年　四六判　P237　カバー汚れ、背ヤケ、端イタミ　本体表紙端少縛り跡　天地小口ヤケ、汚れ

中井英夫の第三エッセイ集。
4部構成で、1部は折々の随筆、2部は読売新聞夕刊に倉橋由美子と交互に執筆したもののうち中井が担当した回を収録、3部は作家論や書評など、4部は対談を収録する。

目次：
【I　地下を旅して】
地下を旅して／舌と鼻と／薔薇が、薔薇で……／金沢・東京・田端／悪夢者の呟き／鏡と影の世界／カレイドスコープ／正義の味方／話しことばの詩・私見／ある冥さについて／兄とレコードと友人たち／死者への手紙／木馬館周辺／「懒人《ロイアルト》」考／人形への惧れ／点としての東京

【II　双点】
手紙たちの不運／交差する腕／逃げる男／猫車／カフカと鬼灯／梅林の嘆き／光る海／雪と嚏／月光浴／双子の時代／双面神／片離

【III　作家と作品】
見えない星田三平氏／『天狗』頌／プルーストの日／本物の劣等生／老いたるアリョーシャ／ヘルマフロディットの幻／ネッシーは浮上したか／枯野と十字架／散文精神の城／星たちの宴／新・江戸川乱歩論
〈解説〉：夢野久作「瓶詰の地獄」／谷崎潤一郎「人魚の嘆き」／泡坂妻夫「乱れからくり」
〈書評〉：久生十蘭「美国横断鉄路」／寺山修司「青蛾館」／アストゥリアス「グアテマラ伝説集」／澁澤龍彦「記憶の遠近法」／佐伯彰一「評伝三島由紀夫」

【V　対談・現代文学のフロンティア】（インタビュアー：田中淳一）

あとがき