1986年 A5横長判 P279 函スレ
フランク・ロイド・ライトの「ホーリック・ハウス」、アウグスト・ザンダーの肖像写真、マルセル・デュシャンの「大ガラス」、ピエール・モリニエのセルフ・ポートレート、60年代末から70年代初頭に起ったフォト・リアリズム、H・R・ギーガーの一連の絵画作品、etc..
おもに現代アートを対象としてとりあげ、それに付随して文学やカルチャー、科学テクノロジーなどにも言及しつつ、「身体」に向けられる意識・感情・思想の現代的な在り方あるいは変容について思索した論考集。
1984〜86年に『is』『ユリイカ』など複数の雑誌に寄稿した文章12篇を集める。
目次:
【1 隠れ家の夢想 “たちあおいの家”のフランク・ロイド・ライト】
1 絶壁の詩学
2 ハーフモダンの精神
3 単身者の空間
4 “世界の果て”のミクロコスモス
【2 制服・ロボット・独身者 装置としての制服世界】
1 軍服から始まる
2 社会装置としての制服
3 九人の制服の独身者たち
4 独身者の機械のメカニズム
5 宇宙の独身者の制服
【3 欲望の銀河系 ピエール・モリニエの世界】
1 変身するセルフ・ポートレート
2 セックスダンス・セオリー
3 肉体の錬金術師
【4 “ロボットの眼”のなかへ 死の光学の浮上】
1 “ロボットの眼”の性質
2 新しいリアリズム
3 ホップアートからニュー・ペインティングへ
【5 サヴィービアの飛沫 エリック・フィッシュルの世界】
1 バッド・ボーイズ
2 郊外へのプロセス
3 異常な電気の子どもたち
4 写真の暴力
5 カーゴ・カルト・シグナル
6 アメリカの集合的無意識
【6 “黒い森”としての裸体 シャーマン・ウィキキン・ツォヴニール】
1 極限としての身体
2 ダーク・ヴィジョンへ
3 破滅と狂乱
4 フリークスとアンドロイド
5 人間概念の終焉
【7 廃墟としての人体 虚体空間の位相】
1 人体の新しい地平
2 身体表現の突出 テクノロジーの浸透
3 テクノロジーの浸透
4 無機物への方向
【8 悪魔の胎内めぐり H.R.ギーガーの世界】
1 「隧道神殿」
2 悪魔の胎内感覚
3 生体機械と黒魔術
【9 メディア・スーツ序論 物質と非物質のはざまに】
物質のバースペクティブ
メディア・スーツへ向かう工業製品
マン=マシーンのポエジー
エレクトロニクス・メディア・パーフォーマンス
「非物質」展が暗示するもの
メディア・アーキテクチュアへ
【10 宇宙船人間論 身体とテクノロジーの現在】
1 環境の宇宙船化
2 現実と非現実の失効
3 メディアの澱
4 宇宙船のなかの身体系
5 進化する人間ロボット
【11 カプセルのなかのツイン 新しいコミュニケーションの形態】
1 トランキリティ・カプセル
2 水に浮く肉体・浮遊する意識
3 外在化された脳
4 生体間のテレパシー
5 全身的コミュニケーション
【廃墟のコックピット 新しい生命体へのヴィジョン】
1 “世代宇宙船”のゆくえ
2 サイバネティクス・オーガニズム
3 シリコン生命体へ
4 宇宙と身体の位相
5 “生命工場”の記憶
あとがき