昭和47年　四六判　P315　カバー全体にイタミ甚大、内側ヤケ、汚れ　小口ヤケ、汚れ　裏遊び紙イタミ大、汚れ

“…しかし橘外男の真骨頂は、私見によれば、やはりその独特な一種の語りともいうべき、饒舌な説話体の文章によって展開されるところの、ヨーロッパその他の外国を舞台とした、西洋講義とも称してしかるべき、怪奇にして艶麗、ときにグロテスクの趣きさえ帯びる、脂っこい伝奇小説にあるのではなかろうか。
〈略〉
本書に収録された三篇は、いずれも作者がジャーナリズムにカム・バックした戦後の作品であり、例によって外国を舞台とし、あり得べからざる奇想天外なテーマを中心として発想された、文字通り伝奇小説の名に恥じぬ、異色の作品群である。…”（巻末「解説」より）

目次：
青白き裸女群像　（「旬刊ニュース」自昭和二十三年三月至同二十四年五月連載）
陰獣トリステサ　（「ホープ」自昭和二十一年十月至同二十三年九月連載）
妖花イレーネ　（掲載誌不明）

解説（澁澤龍彦）