1997年新装版初版 B5判 P775 カバー少汚れ、背少ヤケ、上下端イタミ 小口少汚れ
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“燃え輝く色彩と至深の響きを持つ交響曲的小説により〈散文〉の可能性を追求した夢の巨匠、ジャン・パウルの畢生の大著の完訳”(カバー紹介文)
ホーエンフリース侯国の第二公子でありながらその出自を隠して育てられた主人公アルバーノが、宮廷での策謀や愛憎劇に巻き込まれながら、やがて王位を継承するまでの長大な物語。
もともと現代思潮社のシリーズ「古典文庫」から、1971年に第1巻、74年に2・3巻が刊行されたものの、第4巻は未刊のままだった翻訳を、国書刊行会が未刊ぶんも含めた完訳版として刊行。
巻末に「『巨人』解題」(岩田行一)を収録。
目次:
【第一巻】
まさゆめ
第一ヨベル期(第一周―第九周)
イソラ・ベラへの渡航―『巨人』における喜びの初日―バスクイーノの偶像崇拝者―帝国の無傷ぶりへの礼讃―青春の沸騰作用―甘美な出血―父を見知る―グロテスクな遺言―詩と芸術とに対するドイツ人たちの偏愛―死の神父―幽霊出現の場―血まみれの夢―空想のぶらんこ
『巨人』のプログラムの初披露
第二ヨベル期(第一〇周―第一六周)
伝記作品上の二つの宮廷―アルプス山中の牧舎―飛翔―髪の毛の破損―危険な標的竿―馬車に閉じこめられた雷雨―微かな抗夫音楽―愛情にみちた子―ヴィーン出身のフォン・ファルテルレ氏―責め苦のスープ―ずたずたにされた心―一発射った、ひげのないヴェルター―和解
第三ヨベル期(第一七周―第二〇周)
二人の庭園師の、教育上の苗仕立て場における方法―虚栄に対する弁護の音―友情の朝焼け―愛の、明けの明星
第四ヨベル期(第二一周―第二七周)
愛の高い様式―ゴータのポケット・カレンダー―塔上の夢―夕食と雷雨―エリュージウムの園への夜の旅―新しい俳優たちと舞台、及び、学校時代への最後通告
第五ヨベル期(第二八周―第三三周)
威風堂々の入場―ドクトル・スフェックス―大鼓をたたく屍―騎士の手紙―死亡日の逆行―ユリエンネ―老年の、静かな、キリスト受難日―健康な、また、はにかみやの公子―ロケロル―失明―涙に対するスフェックスの愛好―宿命的在饗宴―愛のドロローソ
第六ヨベル期(第三四周―第三五周)
読者に対する十回の迫害―リアーネの、東の間―寛容についての論争―絵画的治療
第七ヨベル期(第三六周―第四〇周)
アルバーノの特質―政治的、避妊のまじない―カルタ・テーブルのヘロストラトス―父の無条件命令―結構なパーティー―フォン・ブヴェロ氏―リアーネの、精神と肉体との現存
第八ヨベル期(第四一周―第四五周)
ドクトル・スフェックスの略式朝見の儀―リラールへの小道―森の橋―アルカディアでの朝―カリトン―リァーネの手紙と感謝の讃美歌―庭園を通ってのセンティメンタルジャーニー―フルートの谷―理想の現実性について
第九ヨベル期(第四六周―第五二周)
宮廷喪の楽しみ―埋葬―ロケロルへの手紙―水中での七つの最後の言葉―誓忠式―仮面舞踏会―人形仮面舞踏会―空中の頭、タルタルス、幽霊の声、友人、地下の墓地、及び、和合した人間たち
【第二巻】
第十ヨベル期(第五三周―第五五周)
ロケロルのアドヴォカトゥス・ディアーボリ―友情の祝祭日
第十一ヨベル期(第五六周―第五七周)
刺繍枠―アングレーズ―ケレウス・セルペンス―幻想曲
第十二ヨベル期(第五八周―第五九周)
フルレの誕生日と、もくろみ―エキストラ・パンフレット―ラベッテ―ハルモニカ―夜―篤信の神父―不思議の階段―出現
第十三ヨベル期(第六〇周―第六三周)
ロケロルの恋―情夫たちへの弾劾演説―絵画―アルバーノ・アルバーニ―和音的さしむかい―ブルーメンビュール紀行
第十四ヨベル期(第六四周―第六六周)
アルバーノとリアーネ
【第三巻)
第十五ヨベル期(第六七周―第七二周)
男と女
第十六ヨベル期(第七三周―第七六周)
ある娘の悩み
第十七ヨベル期(第七七周―第七八周)
王侯の、結婚の刑罰威嚇―リラールのイルミネーション
第十八ヨベル期 (第七九周―第八一周)
ガスパルの手紙―ブルーメンビュールの教会―太陽と魂との触
第十九ヨベル期(第八二周―第八五周)
ショッペの慰安婦―アルカディア―ブヴェロの肖像画
【第二十ヨベル期(第八六周―第八九周)
ガスパルの手紙―かずかずの分裂
第二十一ヨベル期(第九〇周―第九二)
恋の本読み―幸福に対するフルレの恐怖―欺かれた欺瞞標者―天文台の名誉
第二十二ヨベル期(第九三周―第九四周)
ショッペの心―危険な、精霊たちとの面識
第二十三ヨベル期(第九五周―第九六周)
リアーネ
第二十四ヨベル期(第九七周―第九八周)
熱病―治療
第二十五ヨベル期(第九九周―第1〇〇周)
夢―旅行
【第四巻】
第二十六ヨベル期(第一〇一周―一〇三周)
旅行―泉―ローマ―フォールム
第二十七ヨベル期(第一〇四周―第一〇七周)
ペテロ教会―円形建築物―コリセオ―ショッペ宛ての手紙―戦争―ガスパル―コルシカ島の男―皇妃との葛藤―病気―ガスパルの弟―ペテロ教会の円天井と告別
第二十八ヨベル期(第一〇八周―第一一〇周)
ベスティッツからの手紙―モーラ―ある僧侶の昇天―ナポリ―イスキア―新しい、神々の賜物
第二十九ヨベル期(第一一一周―第一一五周)
ユリエンネ―島―日没―ナポリ―ヴェスヴィオ―リンダの手紙―争い―出発
第三十ヨベル期(第一二六周―一二九周)
ティボリ―争い―イソラ・ベラ―子供部屋―恋―出発
第三十一ヨベル期(第一二〇周―第一二六周)
ベスティッツ―ショッペ―結婚嫌い―アルカディア―イドイーネ―紛糾
第三十二日ヨベル期(第一二七周―第一三O周)
ロケロル
第三十三ヨベル期(第一三一周―第一三六周)
アルバーノとリンダ―ショッペと肖像画―蝋製キャビネット―決闘―気違い病院ライブゲーバー
第三十四ヨベル期(第一三七周―第一三九周)
ショッペのかずかずの発見―リアーネ―十字架礼拝室―ショッペと自我と叔父
第三十五ヨベル期(第一四○周―第一四六周)
ジーベンケース―叔父のざんげ―アルバーノの母の手紙―王冠競争―この物語の山彦と白鳥の歌
『巨人』解題(岩田行一)