中井英夫全集 第10巻 黒衣の短歌史 創元ライブラリ

2002年初版 文庫判 P831+付録P8 カバー背ヤケ、少汚れ、上端少破れ、イタミ

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国内文学評論・エッセイ

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幻想・綺想・怪奇・シュルレアリスム・前衛・・・国内幻想文学・芸術・評論中井英夫

文庫、新書、選書



2002年初版 文庫判 P831+付録P8 カバー背ヤケ、少汚れ、上端少破れ、イタミ

“葛原妙子、塚本邦雄、中城ふみ子、寺山修司、春日井建、浜田到……戦後短歌のきらめく星座は『眠るひとへの哀歌』の詩人・中井英夫によって不減の輝きを放つことになった。『水星の騎士』ほかの全詩篇、短歌論集『黒衣の短歌史』『暗い海辺のイカルスたち』、新資料「中井英夫・中城ふみ子往復書簡」を完全集録。”(カバー裏紹介文)

目次:
【詩篇】
水星の騎士
 {短唱/かげらふの恋/羽虫/「貧しき子の夢」抄/青きかなしみ/毒蛇/未亡人の夜/三者/ひねくれもの/登場/己惚/白い犬/時を送る唄/地球追放/黒猫に/罪の日/水星の騎士/秘密/塔/あしおと/酒場にて(・深夜 ・黎明)/残骸/四月の会話/地平線のうた/少年の夜/果樹園断章/兄/ある序詩/囚人の歌/涙のあとに/ある家の夜/小さな家の火事/わが眼のうた(・左眼のうた ・右眼のうた)/速達/他人に/ちちははとその子のうた(・序 ・家出 ・その子のうた1 ・両親に ・その子のうた2)/二月の或夜に/海を渡り終へた基督/ひぐれと子供達/蟻の詩人/五月を送るうた(・草の夜 ・薔薇に寄す ・旅立ち ・小犬と蛇 ・月との喧嘩 ・くりや風物 ・古い館の詩 ・五月の入口)}/断章/谷底の詩/矢/詩編あとがき}

眠るひとへの哀歌
 眠るひとへの哀歌 {眠るひとへの哀歌/白い手/眠るひとへ/不在の手/旅へ/炎/音楽/朝食/海への扉 /手を逃れて}
 祈りの翅 {朱/洞/翅/棘/鏡/沼}
 水の中の声 {夜、翼は遠いために/指と水仙/人形/遠くへ行つた人と俺/水仙の一束が届けられた/ある朝/譚/氷雨}
 蝕まれた人 {敗戦図/蝕まれた人/「不明氏の墓」に寄せて/凍える花/行列/十二月の僧院/翼と影/歲暮の天使/挽歌/愚神}
 白日のフオーヌ {氷の女/唇に寄す/草上哀歌/即興詩(・星 ・正午 ・蛙)/首/優雅な犯罪/首吊りのうた/屍体/雨の夜/白日のフオーヌ/邦1―5/あとがき}

哀傷詩集
 {かくも空しき/鐘/首/触/箱}

拾遺詩篇
 戦中詩篇 {暗き部屋にて/六月ノ遺書/消ゴムの唄/敗戦/戯詩・時の馬車}
 〈白日のフオーヌ〉前後 {病室/断片/横顏/風の中/祝砲/点景/港にて/夜がその死を教へてくれた/河明り/邦6/五月/公園/鍵/奇妙な水族館/水死人}
 〈水の中の声〉拾遺 {からつほの掌に寄す/隊商/指の翼/LARME NOIRE/戯詩二篇(・唇を? ・死ね!)/終りの唄}
 〈眠るひとへの哀歌〉前後 {修羅/音/黄/刻/声/花/病院}
 〈祈りの翅〉前後 {風/街で/友人および/夜会/独楽(こま)/緑の教え}

香水に寄せる11の脚韻詩の試み
 {黒衣の紡ぎ手 アルページュ/緑の血 アンフィニ/金の供物 カレーシュ/紗の帷 シャネルNo.19/泡立つ花束 ジョイ/青の仲間 フィジー/早春の訣れ ミス・ディオール/星の宴 夜間飛行/恋の刑務所 ランテルディ/片頬 リヴゴーシュ/踊り子 レール・デュ・タン}

【黒衣の短歌史 現代短歌論】
黒衣の短歌史
 はじめに
  二十代について
 昭和二十年〜二十三年
  第二芸術論の意味―「八雲」と木俣修―斎藤茂吉の絶唱―新歌人集団の活躍―「人民短歌」のこと―無名の集団
 昭和二十四年〜二十五年
  歌壇の秩序について―作品の多すぎる歌壇―「色彩と夢」―当時の新人たち―葛原妙子の登場―戦後派の退潮について―笠井正弘のこと―「青炎」と「工人」」―「女人短歌」と片山広子―歌人の選歌について―茂吉の歌原稿
  斎藤茂吉・窪田空穂両先生をお尋ねして/さよなら一九五〇年/大谷友右衛門丈と語る ―短歌と歌舞伎と―/短歌に関するアンケート/第三の世界 ―笠井正弘君の手紙から―/独創について/隕石と極楽鳥/職場短歌ルポルタージュ ―日本製鉄―/海外の短歌雑誌
 昭和二十六年〜二十七年
  岡麓の死―『女人の歌を閉塞したもの』―土屋文明と「アララギ」選歌―『帰潮』と『晩夏』―「局外批評」について―前田夕暮と『わが死顔』―塚本邦雄の登場と『前衛短歌の反省』―岡井隆と寺山修司―中堅歌人たち(坪野哲久ほか)―斎藤正二のこと
  とらんぷ/前田夕暮先生との一時間/南原総長と短歌/歌人印象記/歌人文体模写/歌壇鬼語
 昭和二十八年〜二十九年
  茂吉と迢空の死―高尾亮一―歌壇の改革―「多磨」の分裂―新歌壇地図―清新な抒情(高安国世ほか)―『未来歌集』と田谷鋭―中城ふみ子と寺山修司の登場―中城の死をめぐって―石川不二子の魅力―「十代」の進出―上田三四二と菱川善夫―外の歌壇と内の歌壇
  光の函/送風塔/無用者のうた(1)/十代について/唖の唄
 昭和三十年以降
  寺山攻撃とネフローゼ―相良宏の死―杉山正樹の活躍―前衛短歌の興隆―青年歌人会議―岸上大作のこと―新人の氾濫―清原日出夫ほか―春日井建『未青年』―浜田到の登場と死―無意味の意味―村木道彦と実朝
  無用者のうた(2)/「火星植物園」ほか
 おわりに
  墓の前で

現代短歌論
 模倣のすすめ/無用者のうた―戦後新人白書/現代の魔女―葛原妙子小論―/短歌の墓/眠れゴーレム―寺山修司論―/“夏のために”―「岡井隆歌集」―/標的としての現代歌人 (直立する男魂歌・佐佐木幸綱―反骨に伴う気品・福島泰樹―たおやかな歌腰・馬場あき子―月光の魔術師・塚本邦雄―黄金の苦痛者・葛原妙子)/緑の翼 ―石川不二子小論―/むなしさの母胎/クウェート国通信/あとがき

【暗い海辺のイカルスたち】
I 古今集と現代短歌
 蛬《きりぎりす》いたくなゝきそ/古典と現代の花/流砂の中で―俊成と定家
II 季花短歌彩(ころもよしたんかのいろどり)
 紅と黒(茂吉)/緑と白(葛原)/緋と黄(村木)/灰と朱(中城)/紺と青 (寺山)/桃と杏(史)/紫と橙(柊二)/光と影(山中)/明と暗 (浜田・春日井)/水と藤(安永他)/金と銀(塚本)/血と闇(迢空)
III 斎藤茂吉と北原白秋
 地上の茂吉・地下の茂吉/茂吉秀詠―『白き山』/三色旗の旗手
IV 中城ふみ子と寺山修司
 ゴモラの百二十日/死の朝 ―中城ふみ子追悼/中城ふみ子について/風のやうに/さむき視野/父還せ/水晶仏と薔薇―寺山修司追悼/隠れんぼ/われに五月を/同じ谷間 ―『われに五月を』
V 祈りの歌・翳のある歌
 祈りのうた/翳のある歌(・真紅の耳 ・澄んだ目 ・星と狂気と ・月蝕のひと)/球体の幻視者 ―葛原妙子/沼の底の悲鳴 ―塚本邦雄・寺山修司の原点/遠い潮騒 ―「ジュルナール律」のこと/暗い海辺のイカルスたち
VI 対談・前衛短歌開花の背景(中井英夫・三枝昂之)
あとがき

【中井英夫・中城ふみ子往復書簡】

解説(菱川善夫)/解題(本多正一)
付録:特訓三か月―わが師中井英夫(冨士田元彦)/「中城ふみ子展」のときのこと(玉川薫)
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