1982年　B６判　ソフトカバー　P280＋索引P11　函スレ、ヤケ、汚れ　小口少汚れ

古代アテネの王テセウスに付与された英雄伝説の生成および変遷について、その背景にある当時の政治・社会・外交的な情勢を中心に考察する。

目次：
序
略語表

【序論　地中海世界とポリス国家】
第1章　地中海世界
第2章　エーゲ文明とホメロス の世界
　1　工ーゲ文明
　2　線文字B文書の社会
　3　前二千年紀の東地中海世界
　4　ホメロスの社会
　5　ポリス社会への展望

【本論　テセウス伝説の謎】
第1章　問題の所在:
　1　テセウス伝説批判の必要性
　2　出発点としてのプルタルコス

第2章　研究史の概略
　1　十九世紀の研究
　2　二十世紀の研究

第3章　テセウス伝説の生成
　1　ホメロスとアテネ
　2　ヘシオドスとイオニア人の系譜
　3　前六世紀の民主化過程とテセウス
　4　へロドトスとテセウス
　5　トゥキュディデスとテセウス

第4章　テセウス像民主化の起源
　1　パウサニアス、ストラボン、ディオドロス
　2　アリストテレスとプラトン
　3　弁論家
　4　劇詩人
　5　壺絵

第5章　テセウス伝説の歴史的核心
　1　テセウス伝説批判の基礎
　2　テセウス伝説の合理的解釈
　　｛a　ミケーネ時代のアテネ王国の成立／b　暗黒時代のアテネ王国とポリスへの転換／c　僭主政とクレイステネスの改革｝

第6章　結論
　1　総括
　2　残された問題

【補論　アテネにおけるポリス国家の成立　―トルコーンの誓と告示―】

索引