1984年新装版1刷 四六判 P315 カバー少スレ、少汚れ、端少イタミ 小口少汚れ P163湿気による少波打ち
イエズス会所属のカトリック司祭であると同時に地質・古生物学者としての一面も持ち、科学的知見と齟齬のない信仰の在り方を模索した神学者・テイヤール・ド・シャルダンの著述数篇を収録。
“本書には「神のくに」に加えて、「世界のうえで捧げるミサ」「物質のなかなるキリスト」「物質のうちなる霊のカ」「瞑想集」などを収録する。
これらの主体は、第一次世界大戦に従軍中の黙想をつうじてテイヤールのなかに芽生え、成長していったもので、彼の宗教的思索の中軸をなすものと考えられている。
1955年の晩年の手紙で、著者はつぎのようにのべている。
―「世界のうえで捧げるミサ」と「神のくに」とにおいて、やっと自己のなかに形をなしはじめていた見通しを前にして、わたしの讃嘆と驚愕とを定着しようと試みて以後、すでにながい歳月が流れた。今日、四十年におよぶたえざる反省を経たあとでも、なおかつ、より成熟したかたちではあるが、最後にもう一度、わたしが提示し、人びとに分かち合わせようとのぞんでいるのもまた、正確に同じ根源的ヴィジョンなのである、と。
その初めての出会いの驚きと情熱とは、彼のあとにつづく者たちにとっても、同じような新鮮な感動で共有されることになるだろう。”(カバー裏紹介文)
目次:
【神のくに(訳:宇佐見英治)】
緒言
序論
第一部 能動性の神化
一 行動の聖化についてのキリス卜教的問題
二 不完全な解決法、意図のみによる聖化
三 窮極の解決法、キリスト・イエズスにおける世界の成就
四 行動による合体
五 人間的努力の完成 {a 人間的努力の聖化/b キリスト教的努力の人間化}
六 行動による解脱
第二部 受動性の神化
一 人間の受動性の拡がりと深さおよびかたち
二 増大の受動性と神の二つの手
三 減退の受動性 {a 悪にたいして神とともに闘うこと/b われわれの外観上の敗北とその変容/c 減退をとおしての合体/d 真の忍従}
第一部、第二部にたいする結論 キリスト教的修徳に関する二、三の総括的考察
一 執着と解脱
二 十字架の意味
三 物質の霊的力
第三部 神のくに
一 神のくにの属性
二 神のくにの本性、普遍的キリストと偉大な合体
三 神のくにの成長 {a 神のくにの出現、存在への嗜好と神の透視性/b 神のくにの個別的進歩、純粋と信仰と忠誠の働き/c 神のくにの集団的進歩、聖者たちの合体と愛徳 ・1 神のくにの個別的価値にかんする考察 ・2 愛徳による神のくにの強化 ・3 外部の闇と失われたたましい}
エピローグ 再臨の期待
【宇宙讚歌(訳:山崎庸一郎)】
世界のうえで捧げるミサ
序文
奉献
世界のうえなる火
世界のうちなる火
聖体拝領
祈願
物質のなかなるキリスト
聖画
聖体顕示台
聖体器
物質のうちなる霊の力
物質への讃歌
瞑想集 フェルナンド・タルディヴェル編
世界における神の臨在
歩みゆく人類
人間の努力の意味
完きキリストのなかへ
引用出典