昭和42年復刻版　A５判　P439　函ヤケ、汚れ、角イタミ多　本体元パライタミ　小口・見返し・巻頭ページヤケ、時代シミ

旧字旧かな遣い
昭和13年に刊行されたものを同42年に限定300部で復刻。

“本書はMarcel GRANET氏の Fetes et Chansons anciennes de la Chine の初版（一九一九年）の翻訳である。
〈略〉
グラネー氏が本書に於いて主張せんとすると ころは、詩経、特に国風の大部分の詩篇が、古代農民の田園的な季節祭に際して、若き男女によつて唱和せられた恋愛歌もしくは民謠であつて、従来る詩序や伝箋や、その他凡百の注釈家によつて解釈され来つたが如き支那古代に於ける正統的道徳の存在を証明したり、また之を鼓吹したりするやうなものでは本来は無いといふことに在る。同氏はそれを詩句そのものに即して帰納的に結論し、更にその結論の正当なることを雲南貴州や東京地方に於ける諸未開部族の民族学的な事実に徴して実証せんとしたもので、そして同氏のかゝる意図は本書によつて、大体に於いて達成せられて居るものと謂ふことが出来やうと思ふ。…”（本書巻頭「序」より）

目次：
序

緒論
第一編　詩経の恋愛歌
　一　古典は如何に読むべきか
　二　田園的な主題
　三　村落の恋愛
　四　山川の歌謠

第二編　古代の祭礼
　一　地方的な祭礼
　二　事実と解釈
　三　季節的リズム
　四　聖地
　五　競争
結論

歌謠の対照表

附録
　（一）俚諺競争に関する注記
　（二）　虹に関する注記
　（三）人種学的な注記