1999年6刷　文庫判　P240　カバー少汚れ　天時代シミ

“文学研究につねに新領野を切り開き、新たな方法を提示しつづけた著者による、オリジナルにして周到な文学入門。漱石『草枕』、鴎外『雁』、芥川『羅生門』、古井由吉 『円陣を組む女たち』などの作品から新鮮な読みの可能性をひきだし、文学テクストが約束する〈読書のユートピア〉ヘと読者を誘なう。”（カバー裏紹介文）

目次：
第一章　読書のユートピア

第二章　書くことと語ること
　人間から言葉へ／江戸の言語状況／記号の帝国／日本近代文学の成立／言文一致／小説とは言語なり

第三章　言葉と身体
　身ぶりとしての言語／横たわる姿勢／禁圧された身体／錯綜体／述語的統合／メタファ／円陣を組む女たち／結ぶ言葉

第四章　コードとコンテクスト
　タイトル／作者名／書き出し／序文あるいはエピグラフ／主人公／物語のコード／立身出世というコード／コードの脱中心化／コンテクスト／インターテクステュアリティ／テクストの空白／物語のコード分析　『三人妻』の場合／物語の漸層法／誘惑の戦略／経済的人間の論理

第五章　物語の構造

註
編集後記（多木浩二）
増補　一九七〇年の文学状況　古井由吉「円陣を組む女たち」をめぐって
文庫版解説（小森陽一）