1989年　四六判　P257　帯付　カバー内側時代シミ多

“一九八〇年代―文化の変質や管理化にどう対処し、どこに批評と創造の根拠をおくのか？　現代短歌の状況に鋭い問いの剣を向ける菱川善夫の最新評論集！”（帯文）

目次：
【I　方位と境界　文化の変容の中で】
冒険的大衆歌人論　人間的感受性の回復にむけて
前衛の文学論　想像力は反動化の潮流に耐えられるか

八〇年代における文化の現在　非日常的原点の拡張を
変化と病い　昭和五十年代の時代状況
逆ロマンの風　文化への攻撃力の回復を

抵抗への視点
死の対立

クレメンティスの帽子
魂の火傷　ファドの復活
国境を越えた短歌絶叫

〈故郷〉という棺　帰るなかれ
反進化論・観念の重力をめぐって　前登志夫をどう読むか
アイヌ叙事詩ユーカラを読む

【II　前衛短歌　起点と水脈】
昭和三十年代の短歌（講演）　否定力による世界の再構築
私の再構成をめぐって（講演）　愚者の時代の私の課題
〈私〉論の原点　展望と私見
戦略的批評家への提言　篠弘への書簡
批評はなぜ燃えないのか
俳句批評の現在　坪内稔典『世界の地球儀』から

【III　前衛短歌の構造】
言語関係論　複合表現の構造をめぐって

あとがき
初出発表覚書