昭和59年　四六判　ソフトカバー　カバー端僅イタミ、背少ヤケ

“果物王国日本！　ヨーロッパの文明諸国と比較して、最近の日本の果物屋における百果撩乱現象は空恐ろしい。豊富な国内産に加えて、世界中の珍果・奇果が氾濫しているのだ。美果百種千趣もいい。しかし、古き佳き日の野や山に、庭や畑に生えていた、ありふれた草木の実を、今一度味わってみたいと思う人は多いだろう。桑の実、蓮の実、ぐみ、なつめ……。それらの味と香りには、人それぞれの思い出があるに違いない。ここに該博で、極めて鋭敏な感覚の持ち主が短歌一首を枕に語りかける、含蓄ある話三十六種。”（カバー紹介文）

目次：
序　百果繚乱

【第一部】
木苺（きいちご）／郁李（にわうめ）／梅桃（ゆすらうめ）／帚木（ほうきぎ）／楊梅（やまもも）／胡頽子（ぐみ）／桑（くわ）／蔓荔枝（つるれいし）／蓮（はす）／郁子（むべ）／棗（なつめ）／榠《木＋虍・且》（かりん）

【第二部】
金柑（きんかん）／《王＋攵》瑰（はまなす）／銀杏（ぎんなん）／無花果（いちじく）／石榴（ざくろ）／荔枝（れいし）／ピスタシオ／枸杞（くこ）／松（まつ）／椎（しい）／《木＋虍・且》子（しどみ）／山椒（さんしょう）

【第三部】
梔子（くちなし）／木通（あけび）／唐橘（からたち）／時計草（とけいそう）／青紫蘇（あおじそ）／麻 （あさ）／酸漿（ほおずき）／岩梨（いわなし）／罌粟（けし）／零余子（むかご）／菱 （ひし）／向日葵（ひまわり）

跋実を尽してや恋いわたるべき