1994年 四六判 P267 カバー少汚れ、端少イタミ、背少ヤケ 天地小口少汚れ P192折れ跡
第一部では河童の名称、起源に関する諸説、河童についてしばしばイメージされる外見的特徴や属性、神性といった総論的な情報をテーマごとに紹介。
第二、三部では江戸時代から昭和にかけて絵や文芸、芸能などに登場してきた河童の変遷を辿る。
目次:
【プロローグ 河童って何だ】
{1 河童と日本人/2 河童は寿限無?/3 失われた妖怪性}
【第一部 河童の身上調書】
第一章 河童の名称
{1 異称の数はギネス的/2 ルーツからの命名/3 実在動物、習性などからの命名}
第二章 河童の起源
{1 人形化生説/2 「川の民」の存在/3 中国渡来説/4 平家女官変身説}
第三章 河童の外見的特長
{1 鑑別法/2 河童のミイラ/3 鵺と河童}
第四章 河童の妖怪性
{1 属性一覧/2 河童、空を飛ぶ/3 化ける河童/4 人の心を読む河童/5 河童のたたりで貧乏に/6 尻子玉を抜く/7 セクハラの元祖}
第五章 河童の神性
{1 河童駒引/2 河童・猿・馬の三角関係/3 河童の相撲好き/4 河童の胡瓜好き/5 家伝薬を教える河童}
第六章 河童の精神構造
{1 誓言癖/2 愚直なる律義さ/3 河童の嫌いなもの/4 河童の執念/5 皿の両義性/5 だまされやすい河童}
【第二部 河童の画・その変容】
第一章 江戸時代(一) ―学者たちの河童図
{1 甲羅のない河童 ―「猿・カワウソ系」/2 甲羅のある河童 ―「亀・スッポン系」}
第二章 江戸時代(二) 浮世絵の河童
{1 鳥山石燕/2 喜多川歌麿/3 葛飾北斎/4 安藤広重/5 二代歌麿/6 歌川(一勇斎)国芳/7 歌川芳藤/8 月岡(大蘇)芳年/9 河鍋暁斎/10 河童、主役から傍役へ}
第三章 明治から昭和 ―小川芋銭の河童
{1 真の主役となった河童/2 『荘子』と芋銭/3 「河伯」二つの顔/4 河童と一体化した芋銭}
第四章 昭和時代 ―清水崑のかっぱ
{1 かっぱ以前の清水崑/2 崑かっぱ誕生/3 崑と芋銭/4 落語会の崑かっぱ/5 小島功の甲羅論}
【第三部 河童のアンソロジー】
第一章 芥川龍之介 『河童』と『ガリヴァ旅行記』
{1 もう一つの芥川「河童」/2 芥川河童の検証/3 『河童』のモデルは芥川自身/4 スウィフトの『ガリヴァ旅行記』/5 芥川とスウィフト}
第二章 文芸に現われる河童
{1 川柳/2 俳句/3 短歌/4 詩/5 小説ほか}
第三章 芸能に現われる河童
{1 邦楽(一)小唄 (二)新内 (三)琵琶 (四)常磐津/2 演劇 (一)歌舞伎 (二)新劇/3 演芸 (一)落語 (二)講談 (三)浪曲 (四)見世物}
第四章 現代の河童画
{1 厖大な数の河童画/2 河童のストーリー漫画}
【第四部 河童の総合判定】
第一章 河童は神か妖怪か
{1 河童の祀られ方/2 零落した神/3 妖怪も零落する}
第二章 河童の正体
{1 鯰絵の両義性/2 世直し河童/3 被害者としての河童/4 河童は三重人格}
【エピローグ 河童のごあいさつ】
参考文献 参考“人”献
あとがき