岩屋天狗と千年王国 上下2巻揃 窪田志一 八幡書店

1987年初版 四六判 P393、346 各巻帯付、カバー端僅ヤケ、小口汚れ 上巻遊び紙上端少ラベル剥がし跡、末尾数ページ小口から端にかけてシミ汚れ、帯汚れ

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1987年初版 四六判 P393、346 各巻帯付、カバー端僅ヤケ、小口汚れ 上巻遊び紙上端少ラベル剥がし跡、末尾数ページ小口から端にかけてシミ汚れ、帯汚れ

「易断史料」(『異端記』『かたいぐち記』)なるものを伝授されたと称し、独自の「もうひとつの日本史」を唱えた著者の諸論考を収録。

【上巻】
“ついにベールをぬいだ究極の秘史
《かたいぐち記》《異端記》の謎
邪馬台国から西南戦争まで、日本史のブラックホールを開闢する!?”(帯文)

“薩南伊集院に伝えられた謎の古記録「異端記」「かたいぐち記」が語るもうひとつの日本史。伊集院ゴロ族の世界遊飛から明治維新の裏面と西南戦争の真相まで歴史を貫く巨大な陰謀とは?
自ら弥勒菩薩の再来を名乗り、謎の忍者集団・真方衆を組織して近世初頭の日本に不可視の帝国を築いた世界巨人・岩屋梓梁=弥次郎。薩摩より身を興し、伊豆半島の一大鉄砲製造基地設営、タクラマカン砂漠の踏破、フランシスコ=ザビエルとの宗論、琉球王として即位、倭寇央としての北京・南京城攻略……東シナ海にその生を終えるまでの驚愕の軌跡と徳川政権による史上からの抹殺計画の全貌をついに公表!”(カバー裏紹介文)

“故窪田志一氏は偉大なるロマン的魂の人である。氏は無味乾燥に堕した公式的歴史学を果敢にも排し、生涯を弥次郎研究に費やされた。氏に浴びせられた誹謗はそのまま氏の栄光でもあった。歴史が物語であり、物語であるかぎり、それは自在の想像力の跋扈する場でなければならない。かかる氏の確信は、ひとえに「縮み志向」に徹した現代人に,雄大なる彷徨者の物語を見よ、と語ってやまない。太平洋をインド洋を、ユーラシア大陸を横断する容貌魁偉の英雄・弥次郎とは、はたして何者なのか。彼ははたして実在したのか。幻の神話の人なのか。ここに氏の遺稿が整理され刊行されたことを悦びとしたい。 ―四方田犬彦”(カバー袖推薦文)

目次:
まえがき
凡例

第一章 明治維新の裏面に暗躍した謀略集団真方衆
 史料の根拠/毀誉褒貶定まらぬ西郷評価/西郷と征韓論、西南戦争に関する謎の数々/征韓論なるものは西郷個人の隠密なる企図、妖説である/革命の尖兵、謎の国友衆/西郷家の祖先は岩屋天狗、そのユタモンであることの由来/大塩平八郎に訓董された西郷少年/幕末における真方衆の実態/明治後、始めて日本歴史に登場したヤジロー/第二次革命を盟約した薩摩西郷と会津西郷/西郷を衝撃した明治切支丹 ―その解禁の謎/征韓論の有無を決定する公的史料/明治六年政争の真相

第二章 世界に雄飛した隼人ゴロ集団
 九州王朝(紀国)の正体/ゴロ集団、海外活躍の実態

第三章 南九州隼人族の活躍
 古代史の原形 ―日本古代史の原像は隼人族/隼人族の由来 ―天皇、古代豪族発生の由来/補遺 大伴系豪族

第四章 デタラメきわまる琉球王統史
 現在の琉球琉球王統史/真実の正しい琉球王統史/肥後、琉球佐敷家の王位継承争い/補遺 琉球王統譜

第五章 石屋真梁禅師
 石屋禅師の功績が隠蔽、抹殺された理由/従来史による石屋禅師経歴/正しい石屋禅師経歴/補遺 総持寺宗門が幕政に痛めつけられた理由

第六章 易断政府を樹立した岩屋梓梁
 弥次郎の誕生とその幼童時代/伊集院城城巓に泣く弥次郎、地動説を唱えて人々を驚かす/山幸と海幸の研究

【下巻】
“アジア全土を震撼せしめた弥勒下生運動とは何か?
鬼・天狗・御霊信仰とリンクする驚愕の古記録!中世の混沌より異貌の巨人《岩屋梓梁》とは?”(帯文)

“鬼・天狗伝承の陰に徘徊する山民鍛冶集団、中国明朝を恐懼せしめた倭寇集団、日本史上最大の戦闘的宗教結社・一向一揆……その総てを縫合して展開した弥勒下生運動とは?
桶狭間に義元を襲撃し、本能寺に信長を暗殺して歴史闇より操作した謎の忍者集団・真方衆の暗闘、西南日本に広がる謎の石神、天草四郎・由比正雪・天一坊・大石内蔵助・大塩平八郎等の岩屋天狗顕彰と徳川幕府顛覆計画、維新への道を開いた光格天皇即位の秘密、西郷隆盛征韓論と西南戦争の真相など近世史の闇が今、ここに浮上する。”(カバー裏紹介文)

“十五世紀にカムチャッカ半島からタクラマカン砂漠、はては地中海にまで足を伸ばし、東アジアを包みこむ巨大な王国を樹立した、弥次郎と呼ばれる謎の人物が存在していた。徳川家康はその偉業をことごとく歴史から抹殺することで、幕府の礎を築いた……。
故窪田志一氏が生涯を費やして説いたこの巨大な叙事詩は、同時に叙事詩を語る氏本人をも、日本のオデュッセウスたらしめた感がある。今、氏の莫大な遺稿が二巻にまとめられ、広く江湖に問われようとしている。炯眼の読者よ、願わくばロマンの香り高き本書を通してテクストの快楽を味わいたまえ! ―四方田犬彦”(カバー袖推薦文)

目次:
第一章 岩屋梓梁はなぜ抹殺されたか
 和辻哲郎氏の鎖国論でようやく刮目した日本/抹殺の最後の仕上げ人、重野安繹/ザビエルに初会したときのヤジローに関する切支丹側記録

第二章 実在した易断政府と岩屋梓梁
 その内容をしゃべると殺されるという/なぜ、五人の男の金玉を切り取ったか ―筆者の祖先の女/徳川隠密事件、蘇鉄問答の謎/明治後、はじめて日本歴史に登場した弥次郎/岩屋梓梁の存在を知っていた重野安繹博士/切支丹はなぜ岩屋梓梁を抹殺したか/信長、秀吉、家康が岩屋梓梁を抹殺理由/徳川幕府の岩屋梓梁抹殺の狙いと方策(梗概)/『古事記』は岩屋梓梁作の偽書である/伊集院橋口家と妙円寺/傑僧覚雲こと橋口兼道/真穂梁夢と高橋家と琉球尚王家/謎のさつば聖と柚子の里/鶯宿と『異端記』の由来/嘘で固めたデタラメきわまる現在の琉球王統史/琉球尚王家は伊集院家である

第三章 徳川と易断軍の活躍
 徳川家は島津の陪臣筋/家康が島津に与えた岩屋梓梁抹殺指令/家康と西郷一族との血の系譜/薩摩で入水自殺された後奈良天皇/石山本願寺の一向一揆とは易断衆軍の抵抗戦/桶狭間と本能寺を襲撃したのは易断衆軍

第四章 伊豆半島における鉄砲製造基地群
 島津の『鉄炮記』/北条氏康と鉄砲基地/遭難船搭乗者人名/下田地区基地群/湯河原鍛冶屋地区製鉄、鉄砲製造基地/伊豆半島に埋蔵された黄金十五万貫

第五章 弥次郎の血はアラブ人真穂梁夢

第六章 島津氏とその正しい系譜
 島津忠久の出自について

第七章 石敢当の謎
 まえがき/石敢当に関する随筆など/石敢当は折檻頭の意味/薩摩藩一向宗誅滅を首唱した理由/石敢当の誤字の謎/牛車隊の仏蹴の実態

第八章 朝鮮戦役投降倭将、金忠善の正体

第九章 光格天皇御即位の真相
 相撲の高見山関より巨大だった光格天皇/将軍家治世子、家基を暗殺した真方衆

第十章 大久保長安とその埋蔵金の真相
 明治以後に出現した長安埋蔵金絵図/長安埋蔵金の三大特異性/従来史による経歴と家族/長安陰謀の内容とその加担者/長安の陰謀事件に関連して処分された人物/正しい真実の大久保長安の素性・経歴/武田家臣時代の長安

付録
 後註
 おわりに
 関係事項註

 あとがき

収録論考解説
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