1993年　四六判　P313　帯少スレ、少ヤケ　カバー少汚れ　小口シミ多　裏遊び紙ラベル剥がし跡

“留守と言へ　ここには誰も居らぬと言へ　五億年経ったら帰って来る
ダダから禅へ。しかも観念でなく血肉化し、時空を超えた認識のトポスへ進み出た孤高の詩人高橋新吉。見ず知らずの一人の若者が、中也ではなく新吉を卒論に選び、毅然たる詩的境涯のとりこになる。これはその後七年間の本格的なのめりこみの一成果なのである。”（帯文）

目次：
【研究篇】
ダダの上陸　―新吉のダダ受容・辻潤・萩原恭次郎／高橋新吉の原点　―『まくはうり詩集』論／ダダの観念　―「断言はダダイスト」・小説「ダダ」／危機へ　―「1928年集」に見られる危機意識／自己救済の詩法　―『戯言集』・『日食』の救い／空無の領域I　―ZEN　POEMSの世界／空無の領域II　―言葉との格闘／キリストの問題　―父・子・喩としてのキリスト／武装としての日常I　―『海原』論／復活の感覚　―『海原』論・続／武装としての日常II　―『闘病記』の方法

【研究資料篇】
高橋新吉研究史概観／辻潤発言の功罪／資料／高橋新吉研究（言及）史／愛媛新聞にみられる高橋新吉関係記事一覧／高橋新吉・〈死〉表現辞典／高橋新吉略年譜

あとがき
初出一覧