作文講話及び文範 編:芳賀矢一、杉谷代水 講談社学術文庫

1993年 文庫判 P479 カバー袖折れ跡 小口時代シミ

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500円(税込)

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1993年 文庫判 P479 カバー袖折れ跡 小口時代シミ

“本書は古今の名文や名言の模範文を列挙して、作文の原理と実技とを分かりやすく細説した画期的な文章修業の書である。明治四十五年の初版刊行以来、確かな考え方に立つ文章規範の書として、また達意の文章を書きたいと願う実用的文章表現力の向上をめざす書として、さらに我が国の文章史を踏まえ、広く古今の文章に目を配った他に類を見ない書として、国語関係者は勿論、学生、一般人必携の名著。”(カバー裏紹介文)

目次:

例言
凡例

第一講 作文自習の必要
 {協和社交の動物、思想交換の方法、思想交換の方法、動作、言語、文字、文章、思想の弘布永存、思想と文章、文を学ぶの必要(その一、その二、その三、その四、その五)、必要以外の利益}
第二講 文章の二大別
 {文章を書く目的、実世間の用を足すこと、読者に美感を起こさせること、実用的文章(普通文)、美術的文章(美文)、普通文と美文との差異(その一、その二、その三、その四)、両者を兼ねた文章の必要、何人も美文を学ぶ必要あり、美文及び実用文一覧表}
第三講 散文と律語
 {律語(韻文)、和歌、俳句、川柳、唱歌、新体詩、長歌、旋頭歌、今様、都々逸、神楽歌、催馬楽、長唄、端唄、俚歌、謡曲、浄瑠璃、漢詩、押韻、平仄、洋詩、頭韻、応用詩歌}
第四講 国文の諸体
 {文体の不統一を極めた時代、雅文式、漢文直訳式、折衷体、口語体の文章、洋文直訳式、速記式、折衷式}
第五講 文章の落第、及第、優等
 {落第の文章、その諸例、及第の文章、その条件(正、明、純、穏)、正しき文章、明瞭な文章、純なる文章、穏当なる文章、優等の文章、その種類、強い文章、美しい文章、強くまた美しい文章}
第六講 文の三要素
 {文字、仮名づかい、綴字改良論、漢字、字音仮名づかい、送り仮名、言語、古語(廃語と雅言との別)、科語、学術語、通語、外国語、文法、文法は変遷す、教育上中古文法の功過、新代文法の要求、文部省の文法許容案、初学の誤りやすき文法、「係結の歌」、文法学習法、句読(旧式及び新式)、正しき言語を用いるは紳士淑女の一資格}
第七講 文の種類
 {文章の分け方(目的上、形式上、心理上)、知の文、知の文、その理想(明晰と精確)、情の文、美文、純文学、その理想(美)、意の文、その理想(切実)}
第八講 詞姿
 {作文の目的は優等の文章を書くにあり、詞姿(辞品、詞藻)、詞姿の種類、直喩、隠喩、諷喩、活喩(擬人法)、声喩、提喩、換喩、張喩、引喩、対照、対句、漸層、警語、設疑法、反語、感嘆、現写法、頓呼法、問答法、反覆法、句拍子、掛詞、縁語、詞姿の用い方}
第九講 文の結構
 {文章の段取り、起、承、舗、叙、過、結、序論、説話、論証、補叙、結尾、秩序と連絡と統一、文則、冒頭、破題、単刀直入、主客、伏筆、呼応、段落、過渡、抑揚、頓挫、波瀾、縦横、省筆、色想、不板、画竜点睛、百尺竿頭進一歩、余波、総収、その他五十七則、文則応用の利弊}
第十講 文体
 {簡約体と蔓衍体、剛健体と優柔体、乾燥体と華麗体、素樸体と巧緻体、以上の二体三体を兼ねたる文章}
第十一講 翻訳文の作法
 {普通文の翻訳、形よりも意味、美文の翻訳、意味よりも形、形よりも調子、字眼に注意せよ、直訳、逐語訳、訳解と翻訳、諸大家の翻訳、翻訳の困難、原文の文体を写す、原作の心持ちを伝う、初学者への注意十八則、美文翻訳の筌蹄}
第十二講 作文の実習
 {多読(直接の目的と間接の目的)、評釈を読み自からも評釈せよ、多作、日記をつけよ、作文の機会を多く捉えよ、多思、活版屋と喧嘩、添削の種切れ、多読、多作、多思の三者相俟って文境進む、文調と,詞姿、推敲、放胆と小心、文法だけは厳守せよ、放胆と小心は引き離しては役に立たず}
第十三講 文 品
 {文章の品位(内容外形以外のもの)、人品と文品、道徳、人格、知識の修養と品性の修養、近代科学と古聖哲の教訓、近代文芸と古文芸、「文格は人格なり」、文品には高下あり、文体には等級なし、文は自己を発揮するを目的とす、作文修行の表極、文章の門、道徳の堂、創意と模倣、私淑、造化に私淑せよ}
第十四講 国文の沿革
 {国民は国文を用いざるべからず、国語の独立と国の独立、文体上の正閏、文章の変遷、上古、祝詞、「古事記」、奈良朝、仮名文字の創定、平安朝、「伊勢物語」「竹取物語」「土佐日記」「源氏物語」「枕草子」「大鏡」「今昔物語」、鎌倉時代、漢語及び漢文調、「保元物語」「平治物語」「源平盛衰記」「方丈記」「神皇正統記」「徒然草」「太平記」、室町時代、謡曲、狂言、御伽草子、戦国時代、桃山時代、「太閤記」、徳川時代、元禄、浮世草子と気質もの、西鶴、浄瑠璃、院本、近松、白石、益軒、俳文、芭蕉、天明、硬派文学、秋成、国学の勃興、擬古文、真淵、宣長、戯文、風来山人、随筆、文化文政、読本、馬琴、草双紙,種彦、人情本、春水、雅文小説、滑稽小説、一九、三馬、狂文、蜀山人、明治初年、漢文直訳、柳北と福沢、新小説、逍遙、国文学の再興、三文調和、言文一致、標準語論、新国字論、ローマ字論、国語調査会、口語文の確立、国文の沿革を研究し 与えられる教訓}

解説(益地憲一)
索引
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