昭和63年　Ａ５判　P413　函僅汚れ

新天皇の即位する当初に行われる即位式、大嘗祭、一世一度の仁王会、八十島祭、天曹地府祭といった儀式について、その歴史や儀礼の次第と意味合い、仏教や陰陽道といった外来の宗教との結びつきなど、著者が研究雑誌・機関誌に発表してきた論考や講演の原稿などを一冊にまとめる。

目次：
序並びに解題
　｛一　本書の構成／二　本書のねらい／三　本書の特色｝

第一篇　総説
　御代始め諸儀式の法的意義　｛諸言／（一）儀式は手続法の一種なり／（二）四つの御代始めの儀式は広義の天皇就任式なり／（三）即位式、特にその焼香儀礼について／（四）桓武天皇の昊天上帝祭祀／（五）天武天皇の登壇即位／結言｝

第二篇　即位・大嘗祭
　律と大嘗祭　｛諸言／（一）名例律と大嘗祭／（二）衛禁律と大嘗祭／（三）職制律と大嘗祭（上）／（四）職制律と大嘗祭／（五）賊盗律と大嘗祭／（六）雑律と大嘗祭｝
　律と神宮　｛諸言／（一）名例律と神宮／（二）衛禁律と神宮／（三）職制律と神宮／（四）賊盗み律と神宮／（五）闘訟律／（六）雑律と神宮／（七）結言｝
　ジ《凹の下に儿》像考

第三篇　践祚仁王会
　一代一度の仁王会考　｛総説／（一）一代一度の仁王会とその制度化／（二）延喜式に見える一代一度仁王会の制／（三）仁王会の表白文と呪願文／結言／追記｝

第四篇　八十嶋の祭
　八十嶋祭と陰陽道　｛序言／（一）従来の八十嶋祭の本議論とその批判／（二）八十嶋祭における陰陽道的諸要素／（三）八十嶋祭における私祭的要素／（四）八十嶋祭と羅城御贖／（五）船場・島之内の地形／（六）御津八幡宮／（七）円江と七瀬の祓／（八）御霊神社の重要性／（九）八十嶋の祭／（十）大阪における神社の変遷／（十一）八十嶋の祭について／（十二）八十嶋の祭りにおける禊・祓／（十三）八十嶋の祭祭場／（十四）円江の景観／（十五）「田蓑島」について｝

第五篇　土御門家の天曹地府祭
　｛諸言／（一）土御門文書の都状／（二）御即位天曹地府祭都状／（三）御即位天曹地府祭の目的とその意義／（四）一代一度の天曹地府祭の挙行とその奉仕者土御門家の事ども／（五）一代一度の天曹地府祭の祭場とその祭儀の次第｝

第六篇　明治・大正の大嘗祭の思い出
　｛諸言／追記｝

成稿年表