1982年初版　文庫判　P265　カバー僅ヤケ　小口からページ端にかけてヤケ　末尾目録ページ少鉛筆チェック消し跡

“ま、危機の文学とも言語遊戯のラディカリズムとも心優しきトリックスターのカラクテールとも言えないこともないが、とりあえずここではバーセルミの創作した（あるいは解体した）21の断片《フラグメント》（訳者たちの親切な「あとがたり」も準作品とみて22か）を配列した書物としての宇宙の住人アマチュアたちを次のようにご紹介しよう。ちゃらんぽらんで信号無視で、不器用で、あるいは器用すぎて、馬の骨で傘の骨で、助平で気遣いっぽい彼らは、ニーチェの言う獣と天使の間に架けられたどっちつかずの存在＝道の途中であろうか。やはり断片形式を愛用した二人―秀抜なアイデアの透明度をナンセンスにまで極める偏執狂的に深化したウィトゲンシュタインと意味《センス》の黄昏に没していったニーチェを二足ワラジに世界という名の酒樽の栓をキュッとゆるめるハーポとグルーチョのマルクス兄弟を継承したものだと。笑いもセンスの問題なのだ。”（カバー裏紹介文）

目次：
おれたちの仕事とそれをやるわけ／傷／六一番街西一一〇番地／われわれのうち何人かはわれらが友コルピーを脅かしてきた／学校／大いなる抱擁／わたしは一つの小さな都市を買った／協定／軍曹／次は何をなすべきか／つかまてきた女／それから／大学にやってきたヤマアラシ／教育的体験／発見／レベッカ／照会／新委員／きみはヴィンセント・ヴァン・ゴッホのように勇敢だ／機械時代の終わりに
あとがたり