1979年初版　Ａ５判　P337　カバースレ、端僅イタミ　本体表紙上下端時代シミ　小口ヤケ、時代シミ

“《フランケンシュタイン》こそ、ゴシック・ロマンス最大のスーパースターであるだろう。《怪物》の創造者たる若き科学者フランケンシュタインの名が、今や怪物そのものと混同されるに至っているほどに、この作品は名高い。先駆的アナーキスト・ゴドウィンと、女性解放運動の闘士メアリー・ウルストーンクラフトの間に生れ、尖鋭なるロマン派詩人Ｐ．Ｂ．シェリーの妻となったメアリー・ウルストーンクラフト・シェリー（1797-1851年）が、夫やバイロン卿、ポリドリ博士等と過ごしたジュネーヴ湖畔ディオダディ荘の、あの幽霊夜会から、若干十八才の著者によってうみだされたこの作品は、自ら望むことなく生を享けた《怪物》の苦悩と、純粋な《科学的》探究、善意の錬金術的探究の果てに《怪物》を作りだし遂にはその《怪物》の破壊のために狂奔するに至る青年フランケンシュタインの悲劇とを描きあげた、単にゴシック小説史上のみならず、英文学史上稀有の傑作のひとつである。…”（カバー袖紹介文より）

表題作のほかに短篇２篇を収録

目次：
フランケンシュタイン
変身
寿限有の寿限無

シェリー夫人の生涯と作品（臼田昭）