1987年　Ａ５判　P341　帯スレ、端少破れ　カバー少ヤケ、端少イタミ　小口僅汚れ　見返し時代シミ

“快楽の様々なる意匠
権力装置、性的幻想そして生活術にと、〈欲望〉は際限なく増大する。〈快楽〉という名の病に憑かれた18世紀フランスの宮廷文化。その猥雑・無骨な〈欲望〉が、美的洗練と畸形化の共存するさまに、時代の気分が奇妙に符合する時代を透視する。〈見えない権力〉として、社会に遍在する〈欲望〉に、混沌とした文化の源泉を探る全く斬新な文化論。”（帯文）

目次：
はじめに

＊
「花」のざわめき
　｛奇妙な情熱／具体の世界／イデオロギーの歴史／コードの交換あるいは生命｝
刈られた木
　｛庭園の植物／体系としての自然／視角の愉しみ／庭園の政治学／触覚のたのしみ｝
隠れたイメージ
　｛アナモルフォーズ／遠近法の意味が変わった／隠し絵の政治学／隠し絵からアナグラム｝

＊＊
道化の階段《ナレントレッペ》
　｛城の階段／芸能者たちの記念碑／壁画の構造／裏のルネッサンス｝
グロテスクな「甥」
　｛グロテスクの復権／比喩としての世界／修辞機械／パントマイム｝
かつらの呪力
　｛シミュラクルの文化／かつらの流行／演劇的身体／かつらの呪力｝
玉座と便器
　｛家と汚物／汚れのまわりの物／華麗な便器／玉座になった便器｝

＊＊＊
「布」のコスモス
　｛絵のなかの「布」／部屋の快楽／「布」の軌跡／「布」の記憶｝
寄木細工の哲学
　｛家具職人の時代／精密さの哲学／花とアラベスク／欲望あるいは世界の所有／構造から表面へ｝
「趣味」の商人
　｛建築家と家具商人／商業の空間／家具商人のビジネス／商業と美的生産／快楽という病｝

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愛の小部屋
　｛私的な快楽の空間／欲望の季節／ブドワールの画家／女の部屋の政治学｝
家族の肖像
　｛私的な感情の絆／視線の交錯／寓意から換喩へ／オイディプスの場｝

註
あとがき