1985年　四六判　P366　カバー少汚れ、端少イタミ

フランスの一地方で長く語られてきた口頭伝承を題材に、理髪師であり詩人であったジャスミンことジャック・ポエが1840年に発表した作品『フランソネット』と、古文書の記録を手がかりとして、その起源となった実際の魔女事件と魔女をめぐる迷信、あるいはその背景にあるフランス農村社会の生活、信仰などを、アナール学派の歴史家である著者が丹念に探る。

“魔女研究としてこれまで語られてきたことは、夜に箒の柄に乗って飛行するとか、魔女集会で黒や緑の色の悪魔の尻に接吻するとかいった類のことであった。〈略〉魔女についての神話や伝説がそのような内容のものであるとしても、その根のところにある者は農村民衆の生活のどのような現実であったのだろうか…”（カバー袖紹介文より）

目次：
理髪師ジャスミン

Ｉ　ガスコーニュの三人の魔女　―フランソネット、ジェラルド・ミマレ、マリ・ド・サンサリック―
ＩＩ　フランソネット
ＩＩＩ　その時代におけるフランソネット
　｛1　時代的な本当らしさの基準／2　ありうる事実という基準／3　年代的な範囲のしぼりこみ／4ある魔女の確定（補遺）｝

史料と文献
註
訳者あとがき