1992年6刷 20.2×27.8 P140 表紙僅クスミ 小口少イタミ、少時代シミ
“神は言う。「私は隠れた宝庫」であった。私は知られることを欲した。それゆえ、私は宇宙を創造した」。イスラムの神秘主義者〈スーフィー〉にとって、宇宙は神の顕現の場である。コーラン、アラベスク模様、神秘詩、音楽、―
彼らは、あらゆるもののなかに、隠された意味をよみとろうとする。
修行によって、意識を覚醒し、心を浄化し、世俗的意識が消滅したときに、存在の意味は顕らかになる。スーフィーは、礼拝、唱名、舞踏、黙想など儀礼と修行を通じて、神秘の階梯を一段一段昇る。やがて、神と人間を隔てるヴェールは剥がれ、光の中に〈神〉を見るのである。本書は、スーフィーとともに、神を目指して神の中へと旅する。”(表紙紹介文)
目次:
訳者解説―スーフィズムを旅する
第一章―神秘的表現の理由
序
スーフィズムの起源
包含するものと、包含されたるもの {存在一性論/普遍的プロトタイプ}
創造―下降の弧 {創造の理由/創造の方法/創造のあり方}
人間の魂 {感覚的構造/心霊的構造/精神的覚醒}
探求―上昇の弧 {精神的方法/精神的徳目}
象徴学 {普遍的な象徴と特殊な象徴}
第二章 神秘的表現のあり方
神への旅 {覚醒/呼び声/収束/入門と唱名/導師/門と橋/危機/方向づけ}
神の中への旅 {神の御名において/宇宙的象徴/心理的象徴/宗教的象徴}
神による旅 {変容の象徴}
第三章 神秘的表現の方法[資料図版]
精神的隠棲―ハルワ
旅の段階
精神的状態―アフワール
精神的階梯―マカーマート
臨在―ハドラート
数学と幾何学―イルム・アルアーダード、ハンダサ
建築と音楽 {一般的形体/空間的連結の構造/リズムとシンメトリー}
神秘詩
文字の化学―イルムアルアブジャド
神秘的な夢―ルーヤー
宇宙論および霊的天文学
参考文献