
1982年3刷 四六判 P238 カバー僅ヤケ 口絵および扉ページ時代シミ大
『蟹満多寺縁起』の蛇婿入り、『北野天神縁起』の雷神など、さまざまな社寺縁起を資料として、日本中世の民間におけるカミ観念の在り方、仏教や政治的背景との結び付き、その変遷などを探る。
目次
序説 神々の世界における古代
第一章 神々における中世の胎動
一 蛇婿入りの失敗―『蟹満多寺縁起』/二 寺領を守る神―『高野寺縁起』と『荒陵寺御手印縁起』
第二章 天神しんこうにおける国家と民間
一 雷神のとどろき―『北野天神縁起』以前/二 小蛇と高僧たち―『北野天神縁起』
第三章 中世における社寺縁起の展開
一 山の民を守る神―『葛川縁起』/二 神話から歴史へ―『足助八幡宮縁起』
第四章 歴史叙述における神々と縁起
一 神話的世界の再建―『神皇正統記』/二 英雄とその怨霊―『太平記』
第五章 中世における神々の黄昏
一 人となって苦しむ神―『神道集』/二 神と人とのたわむれ―『物くさ太郎』
結語 社寺縁起をめぐる若干の問題
あとがき