
1997年新装初版 A5判 P329 帯角僅クスミ、僅シミ汚れ カバー上部僅イタミ
“同時代和欧に還流する〈視覚〉の大変革 〈ピクチャレスク〉という大輪が八重に狂い咲く下 飛行の遊民たちが〈異時空テクスト〉を極彩色に織りあげる”(帯文)
目次:
プロローグ 「憑き」の方へ
第Ⅰ章 江戸フローラル
根なき者どもがひたすらに見る
ピクチャレスク事始め
タブロー・マニアック―江戸番付
「物類」というタブローの宇宙―江戸本草学と花
談義と博物―源内、「宝暦十あまり三の年」のこと
黒に染める―同時代演劇の中の大南北
第Ⅱ章 アニマ・ドラマ
浄化の錬金術劇場―夢幻能『松風』
合理を衝つ―泉鏡花『高野聖』
第Ⅲ章 ファンタスマゴリア
昭和元年のセリバテール―パノラマ島のピクチャレスク
法水が殺す―小栗虫太郎『黒死館殺人事件』
「や、此は便利だ」―彼我の百科世紀末・覚書き
第Ⅳ章 フィジスの正負
「変」のテクネー
「宛然パノラマを見るに異ならず」―荷風と表象文化ノート
独身者ダッチョ・アラキの九相機械―フォトグラフの江戸出自をめぐって
第Ⅴ章 ドラコニアン・エピターフ
雲の彩り
うけもち神のスタイル―記記神話の今日
オドラデク跳梁―ドラコニアの一九六〇年代
リヴレスクな博物誌―『私のプリニウス』周辺
エピローグ
もっと黒く塗れ(田中優子)
あとがき