昭和18年初版 B6判 P456 全体に経年ヤケ、時代シミ、イタミ 小口濡れシミ 裏遊び紙値段書き入れ跡
旧字旧かな
『白鯨』の著者として知られるメルヴィルは1842年、捕鯨船の水夫として向かった南太平洋上の島で船を脱走し、先住民に囚われて4ヶ月を現地で過ごし、このときの体験した記録を処女作『タイピー(Typee)』として発表する。
本書はその『タイピー』の後日談にあたり、豪州の捕鯨船に救出されてタヒチ島に移ってからの見聞を記録したもの。
“本書は、航海中著者の身辺におこつた冒険奇談を、逐次つぶさに記述して、南太平洋航海の船員が、どんな生活を送るのか、それを伝へて見ようとするのが、其の一つの目的である。
……次に、基督教伝導の手の及んだため、玉石混淆の外人との交際の影響と、宣教師の教訓の結果とが、むすびついて、現在どの様な状態を見せてゐるか、著者の見たまゝに記述するのが、本書の目的でもある。”(自序より)