2005年新装版２刷　Ａ５判　P1202（上下計）　小冊子「『存在と無』を初めて読む人のために」（澤田直）付　各巻帯およびカバー背ヤケ、少イタミ

訳：田村俶、雲和子、西山けい子、浅井千晶　

“個人的な生が哲学へと昇華していく20世紀思想の原点を見つめる”（上巻帯文）
“人間存在を鋭く凝視し混迷する現代の思想的拠点を示す”（下巻帯文）

目次：
《上巻》
緒論　存在の探求
　｛Ⅰ　現象という概念／Ⅱ　存在現象と現象の存在／Ⅲ　反省以前的なコギトと知覚の存在／Ⅳ　知覚されることpercipiの存在／Ⅴ　存在論的証明／Ⅵ　即自存在｝

第一部　無の問題
　第一章　否定の起源　｛Ⅰ問いかけ／Ⅱ　否定／Ⅲ　無についての弁証法的な考えかた／Ⅳ　無についての現象学的な考えかた／Ⅴ　無の起源｝
　第二章　自己欺瞞　｛Ⅰ　自己欺瞞と虚偽／Ⅱ　自己欺瞞的な行為／Ⅲ　自己欺瞞の《信仰》｝

第二部　対自存在
　第一章　対自の直接的構造　｛Ⅰ　自己への現前／Ⅱ　対自の事実性／Ⅲ　対自と、価値の存在／Ⅳ　対自と、諸可能の存在／Ⅴ　自我と、自己性の回路｝
　第二章　時間性　｛Ⅰ　時間的な三次元の現象学　（Ａ）過去　（Ｂ）現在　（Ｃ）未来／Ⅱ　時間性の存在論　（Ａ）静的時間性　（Ｂ）時間性の動態／Ⅲ　根源的時間性と心的時間性―反省｝
　第三章　超越　｛Ⅰ　対自と即自とのあいだの典型的な関係としての認識／Ⅱ　否定としての規定について／Ⅲ　質と量、潜在性、道具性／Ⅳ　世界の時間　（Ａ）過去　（Ｂ）現在　（Ｃ）未来／Ⅴ　認識｝


第三部　対他存在
　第一章　他者の存在　｛Ⅰ　問題／Ⅱ　独我論／Ⅲ　フッセル、ヘーゲル、ハイデッガー／Ⅳ　まなざし｝

《下巻》
第三部　対他存在（承前）
　第二章　身体　｛Ⅰ　対自存在としての身体―事実性／Ⅱ　対他-身体／Ⅲ　身体の第三の存在論的次元｝
　第三章　他者との具体的な諸関係　｛Ⅰ　他者に対する第一の態度―愛、言語、マゾヒズム／Ⅱ　他者に対する第二の態度―無関心、欲望、憎悪、サディズム／Ⅲ　《共にある存在》（共同存在）と《われわれ）　（Ａ）対象-《われわれ》　（Ｂ）主観-《われわれ》｝

第四部　「持つ」「為す」「ある」
　第一章　「ある」と「為す」―自由　｛Ⅰ行動の第一条件は、自由である／Ⅱ　自由と事実性―状況　（Ａ）私の場所　（Ｂ）私の過去　（Ｃ）私の環境　（Ｄ）私の隣人　（Ｅ）私の死／Ⅲ　自由と責任｝
　第二章　「為す」と「持つ」　｛Ⅰ　実存的精神的分析／Ⅱ　「為す」と「持つ」―所有／Ⅲ　存在を顕示するものとしての性質について｝

結論
　｛Ⅰ　即自と対自―形而上学的概観／Ⅱ　道徳的展望｝

各巻末に原註、訳註を収録
下巻末に全集版（三分冊）訳者あとがき、事項索引、人名索引