
1994年初版 四六判 P252 帯付 カバー時代内側時代シミ多 小口時代シミ
「小こそ貴く、小こそ聖的である。
弧状列島の誕生以来、不変の神性構造を問い、日本人の深層の心性を歴史の異相に透視する。」(帯文)
目次:
Ⅰ 異形者の力
{芸能と差別 天皇と制外の民/踊る王者 芸能を介した後白河院と義経の交情/盲目の逆転の力 廃帝幻想から被差別芸能まで/水の女の系譜 天皇家の水の呪法の女たち/さかさま空間の神話 異界としての熊野/小さき畸型の反乱 小人のイマージュ/稚な神の系譜 ちいさき者に神をみる構造}
Ⅱ 暗殺異聞
{日羅謀殺 古代外交史の闇部/入鹿暗殺 仰鼻〈おぎはな〉異聞/伏見天皇大逆未遂 浅原為頼宮廷乱入事件/義教暗殺 兵〈つわものの〉の美/信長暗殺 信長における言語主義の敗北/敵討モデル譚 曽我兄弟と赤穂浪士/田沼意知殺し 世直し大明神事件/閔妃殂落 帝国の犯罪/霧社事件、暁の虐殺 花岡義兄弟の生と死}
Ⅲ 歴史の異相
{ナルシストの没落 流謫された百人一首の四歌人/戦国武将の彼岸的価値観 「憂き世」から「浮き世」への一考察/伝授における虚構の真実 秀頼に殉じた公卿一人/帝室秘庫破り 伊賀者の鼻祖・夏焼太夫/負性のヒーロー 忍者の典型・佐田さん兄弟/死刑のためにいい日 金地院崇伝の非情}
〈付〉「ナポレオン抹殺論」(箕作元八訳、『西洋史話』所収)ノオト
跋にかえて
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