
1988年初版 四六判 P260 カバーヤケ、クスミ、汚れ、上部イタミ大
カフカの小説『変身』における構成や描写が、西洋占星術の原理に基づいて書かれている、という一見大胆とも見える仮説から出発し、作中に登場するオブジェの象徴性、固有名詞の頭文字の検討など、微分的な解析を重ねてこれを検証する。
目次:
Ⅰ 天上からの視線
Ⅱ 虫のヌードと千里眼―変化の四局面
Ⅲ 消えたグレーテ―パターンの対位法
Ⅳ 美人の絵と毒虫と―脇役の四グループ
Ⅴ 天上に書き記された意味―記号としてのイメージと家の権限
Ⅵ Vの悲劇―暗号としての名詞
Ⅶ 円環としての世界―脇役のイメージとキーワード
Ⅷ 文字曼荼羅の世界―記号としての文字
Ⅸ 擬態としての物語―カフカと占星術