1989年４刷　Ａ５判　P353　ビニールカバー少汚れ、少キレ　帯付

「永遠の美少女アリスとは誰か
夢と現実、非論理と論理、狂気と正気が交錯するノンセンスの王国。そのノンセンスの宇宙を彷徨うアリスの受難を、キャロルの投影された不安として読み取り、進歩と頽廃が共存する〈芸術〉の時代＝世紀末の本質を探る。」（帯文）

目次：
Ⅰ
　流れのある風景　ルイス・キャロル小伝
　破れた呪文　ルイス・キャロルの言語遊戯
　俯瞰のエレジー　『キャロル大魔法館』瞥見
　アデュナタの狂熱　キャロル、リア、ヴィクトリアン
　パラドキシア・ファンタスティカ
　プリコラージュの世界解識　キャロル・イェイツ・世紀末

Ⅱ
　「リフレクト」する病　コーリー、ダン、ウェブスター
　肉体性の積分記号　スターン、ホガース、アラベスク
　円卓のセミオティケー　ピーコックの祝祭小説
　メルヴィルの白い渦巻き　『白鯨』の円環
　梭と筬で書く　ハーマン・メルヴィルの場合

Ⅲ
　殺す・集める・読む　シャーロック・ホームズの世紀末
　終末の鳥獣戯画　童謡殺人と現代

「アリス狩り」註　神は細部に……
あとがき
初出誌一覧