2010年 文庫判 P283 帯付
“江戸の性と政
血縁から読み解く統治のメカニズム”(帯文)
“江戸時代―上は将軍家から商家・農家・職人に至るまで、優秀な後継者が立つかどうかは一族郎党の生存に関わる一大事、後継者選びは社会システムの要であった。では具体的にどうしていたのか。性をどのように管理/開放していたのか。優秀な子どもを得るためにどんな努力、あるいは淘汰があったのか。その成功と失敗、挫折と弊害とは。多くの子どもを儲けて彼らを存分に活用した家康の発想、大奥《お世継ぎ戦争》の負の遺産の数々から、お妾という習俗の本質、貧乏長屋住人の性意識まで、性と子造りを通して江戸の統治のシステムを浮かび上がらせる、仰天の歴史読みもの。”(カバー裏紹介文)
目次:
序
最も原始的な/なにはさておき縁組優先/三人の天下人/「封」の誕生/新しい価値・茶道/二つの世界/「明治百年」の誤算/地主や旦那は「公選」公務員/企業の社会的責任(CSR)/「封」と「株」/池上本門寺と東海道/壮大な本門寺女性墓群/江戸資本主義の本質
第一章 メカニズム
結婚契約/系図で見る一夫多妻/男は女の家に養われた/性生活の革命/女性の男買い/陰間・若衆の職場/女犯という大問題/「しくみ」と「かこい」/妾の必要性/女の腹は借り物/『柳多留』で見た妾の周辺
第二章 武家の相続人
家康の子供たち/双子の不思議/裾貧乏の真相/将軍担ぎ出し争い/歴代将軍の場合/異色の大名/婦女衣服制限令/大奥女中条令/老中よりの下知状/犬公方綱吉
第三章 血統のアウトソーシング
女の貸し腹/紋散らし/江戸は女の都
第四章 適材適所の稼業繁昌
徳川の財務長官の素姓/貨幣鋳造権の先取り/庄三郎の起請文/光次三幕目/妾の払い下げ/水道技術者の細君/「武家の系図」以外の子供たち/初期の公儀の管理職/二人いた秀忠の乳母/男の寿命/妾の兄上/家康を巡る人々(今井宗薰 亀屋栄仁 上林掃部丞久茂 後藤庄三郎 庄三郎の本家 末吉孫左衛門 角倉了以 角倉素庵 田中清六 茶屋四郎次郎三代 土田宗沢 本阿弥光悦 湯浅作兵衛)