
昭和57年2刷 文庫判 P312 カバースレ、汚れ、少イタミ 天地小口からページ端にかけてヤケ、汚れ、時代シミ 表紙から巻頭数ページにかけて上角少折れ跡
“SFの世界の数多くの住人たち ―異星人、エスパー、未来人、そして、ロボット。ロボットは、「ゴーレム伝説」に見られるように、SFがまだSFの形をとっていなかった神話伝承の時代から文芸作品に登場し、すでに確固たる登場人物の地位を確立している。一方、テクノロジーの進歩と発展は、空想上の産物にすぎなかったロボットを、現実の世界につくりだした。本書は、科学的な側面からロボットの原理、可能性をさまざまなデータを駆使して解説しつつ、小説ばかりでなく映画、演劇などの中での活躍ぶりをあますところなく伝える好書である。”(カバー裏紹介文)
目次:
まえがき
第1章 ロボットの時代
{未来ははじまっている/さまざまなロボット/ロボット類語辞典/伝説の中のロボット/フラスコから生まれた小人間/幻の美女アダリーの秘密間/なつかしの〈メトロポリス〉/日本にもいた恐怖の人造人間}
第2章 脳は魔法のコンピュータ
{きこえてきたロボットの足音/脳―このおどろくべきシステム/歴史はくりかえす/脳には地図がある……?/脳は宇宙である!/超々LSI―神経細胞のひみつ/天然電子回路の外観/問題はシナプスにあり!/記憶の場所を求めて……/脳はホログラム?/記憶のニュー・ウェーヴ}
第3章 ロボットの頭脳とコンピュータ
{ムサシノ一号の頃/より速く、より大きく……/新発明・電子計算尺!/コンピュータの元祖“ソロバン”/卓上計算機の歴史/パスカル、ライプニッツ、バベジ/コンピュータ時代の開幕/人間そっくりだったフォン・ノイマン/第五世代のコンピュータとロボットへの道}
第4章 生物の秘密をさぐる
{超音波新兵器/バイオニクスとその周辺/闇をとぶコウモリの秘密/生物レーダさまざま/昆虫はバイオニクスの宝庫/ハチのダンス/タコ型ロボットの出現……?}
第5章 文字を読むロボットの話
{おどろくべき人力産業/郵便局は無人にできる……?/数字を読むロボット/コンピュータは美人がお好き/OCRとは……/パターン認識のむずかしさ}
第6章 システムという名の怪物
{システム、またシステム……/システム工学とは……?/システム・エンジニアは大変だ!/コンピュータが活躍する/人間とシステム/SE・SF・SEX/ロボットはシステムだ!}
第7章 サイボーグ
{さかんになった医用工学/サイボーグの原始形態/サイボーグの誕生/宇宙こそわがふるさと/超人間の悲劇/どこに限界があるのか?}
第8章 サイバネティックスとは……?
{ことばは魔法つかいである/けっきょく、どういうことなのだろう……?/ウィーナーという人物/古典となった『サイバネティックス』/通信と制御と計算/生物・精神・言語・社会/学習するロボット、増殖するロボット}
第9章 工場の中から宇宙の涯まで
{万国博のロボットたち/ロボットの進歩と調和/省力化用ロボットまかりとおる/問題はソフトウェアにあり/ロボットは挑戦する!/宇宙ロボットの活躍/海洋ロボット誕生/ソフトなロボットたち}
第10章 巨人口ボット・小人ロボッ
{ノミとマンモスの問題/巨人口ボットのチャンピオン/マンモス・ロボットの泣き所?/小人ロボットは忙しい/ノミ型ロボットは可能だろうか?/素粒子がカベになる!/個人プレーとシステム化}
第11章 ロボットは進化する
{ロボットの子孫は……?/学習と自己組織/ノーバート・ウィーナーの思想/自己再生とノイマンの証明/自己增殖とウィーナーの考察/ロボットは全知全能か?/万能チューリング・マシンとロボット/道具をつかうロボット}
第12章 遠い遠い未来に……
{ロボットは創造する!/自由意志はどこからくる?/ロボットの情緒と直感/意識をもつロボット/どうしても限界がある/ロボットの過去と未来/神への段階}
付録 古典ロボットSF解説年表
あとがき