
1958年 B6判 P253 全体に経年によるヤケ、少汚れ カバースレ、少イタミ
昆布の旨味成分がグルタミン酸であることを発見するまでの試行錯誤にはじまり、調味料「味の素」の開発、製造、商品化、普及の過程で起こるさまざまな課題(成分の抽出、大量生産の方法、工場から排出されるガスや廃液の問題、宣伝、etc..)と解決のエピソードを辿る。
目次:
第一部 アイデアという魔法の杖
第二部 C6H9NO4の誕生
うまかった吸物のヒミツ
人間を幸福にする研究
助手の苦心
正体あらわれず
家族の応援
グルタミン酸
思い出を追う
友のよろこび
第三部 苦闘の歴史
小さな兄弟会社
学者と事業家の出会い
ケルベル嬢の一言
特許出願
菊の御紋
まよう三郎助
両雄の握手
実験室の仕事ではない
塩酸をかぶる工員たち
ドイツのかま
妻の提案
商標の問題
講演会
同姓の発明事業家
よろこぶ兄、不安な弟
一家をあげた座敷工場
四面そかの声
三郎の売り込み
広告の苦心
松下商店のえらさ
根もとをさらう大水害
カネボウと共存共栄
きみのわるい空気
家事の先生
栗原を殺せ
第四部 発展への浮き沈み
土地を求めて
爆弾動議
希望にもえて
宣伝にちえをしぼる
見合結婚
硫酸法の大失敗
神のめぐみ
お正月なしの工員
蛇説になやまされる
第五部 栄光への道
味の素を使って富と幸福を得た人びと
結びの神
汽車をまつまの研究
日本一のへんくつ親父
天皇と味の素
二重に利用した松下商店
燈台もと暗し
世界に進出する
新婚がとりもつ台湾進出
朝鮮における吉川夫人のかしこさ
排日思想うずまく中国へ
アメリカをせつけんする
特許期間の延長ねがい
情けの名判決
栄光にかがやき、栄光をわかつ
新人の活躍
かずかずの発明
禍いを転じて福となす
工場の近代化はすすむ
世界の舌を征服する